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なぜメディカル革命で予約を管理するとクリニックの収益が上がるのか?⑤ 今すぐできる「戦略的」予約枠設定(中級編)

メディカル革命コラム
メディカル革命コラム
Yuko Inoue

こんにちは。GMOリザーブプラスです。

前回の記事では、メディカル革命で予約枠を設計するときの基本的な考え方をお伝えしました。

医療機関に来院する患者さんの診療内容は全員一律ではありません。

症状や検査内容によって、処置に時間がかかったり、他の部屋、機械をおさえる必要が出てきます。
しかし、診療時間、部屋、機械、対応するスタッフというリソースにはそれぞれ限りがあるので、1日の中で対応可能な範囲でできるだけ多く患者さんを受け入れられるように計画を立てる必要があります。

順番待ちから時間帯予約制に移行し、定期診察の方を比較的予約が埋まりにくい曜日と時間帯に誘導して週単位、月単位で分散させることで、来院数の平準化を行うのも1つの案です。


来院を分散させることについては、メディカル革命をご利用中のお客様の高木外科内科様の導入事例記事で触れていますので、ぜひお読みいただければと存じます。

今すぐできる戦略的予約枠設定(中級編)実践方法

1.患者さんの予約傾向から患者ニーズを把握する

さて、メディカル革命で予約を管理してみると見えてくるのが、患者さんの予約の傾向です。

メディカル革命で見えてくる患者の予約傾向の例
何曜日の枠が埋まりやすいか
何時の枠が埋まりやすいか
何の予約が他の予約よりも早く埋まりやすいか
埋まりにくい診療メニューはあるか
どの医師、どのセラピストの枠が埋まりやすいか
● 当日のキャンセルが出やすいのはどの予約か
年齢層によって埋まる診療内容が異なるか、など

これらの傾向を把握できると、同時に次のようなことにもお気づきいただけると思います。

メディカル革命で見えてくる患者ニーズとクリニックが意図する予約枠とのギャップ
● 要望が多い診療メニューとクリニックが埋めたい診療メニューが異なる
● 要望が多い診療メニューをWEB予約に開放していない
● リピートにつながる診療メニューが用意できていない
● キャンセルが出た枠を穴埋めする対策ができていない

2.予約カレンダーの空き状況・埋まり状況を俯瞰して把握する

予約の傾向を見ると、ネガティブな気づきばかりでなく、良いことも分かってくると思います。

たとえば、今まで患者さんから問い合わせがあったときのみ対応していた「アレルギー検査」を、WEB予約サイトにメニューとして出してみたら、意外と予約が入っているなど、今まで見えていなかった潜在ニーズにお気づきいただくこともあります。

また、予約を効率的に管理できていないために、非常勤ドクター、看護師、セラピスト、カウンセラー、機械が稼働していない時間が生じており、その時間にもバラツキもあることが分かる場合もあります。

その場合は、季節要因なのか、患者さんの属性(お仕事をしている女性が多いなど)に応じた時間帯のニーズに応えられていないのかなどの原因がないかを考えます。

予約枠をWEB予約に開放する時間帯を集中させ、空けた時間を別の業務に割くなど、時間配分の見直しを行うことができると思います。

3.看板メニューを作る

こうした課題が見つかった場合の予約システム側での対応方法もいろいろあります。

メディカル革命は、1列に複数の診療メニューを紐づけることができますので、同じ診療内容でも症状別に区別して診療メニューを出してみることも一案です。

どういうことかというと、たとえば、同じ初診でも、「初診」として一括りにするのではなく、敢えて「頭痛外来」「めまい外来」「認知症外来」「辛い咳症状がある方」のように、患者さんに「これぞ私が探していたクリニック」と思ってもらえるような名称をつけます。

美容のカウンセリングメニューなら、クリニックが一番推したい施術のカウンセリングメニューを独立させ、「脱毛カウンセリング」「薄毛治療カウンセリング」のように目を引きやすくするのはいかがでしょうか?

検査なら、その検査の適応疾患名が分かるようにしておけば、目的がはっきりしている患者さんは迷わずに選択できます。さらに所要時間を書いておくと、あとの予定が立てやすいので、躊躇せずに予約まで進んでもらえるでしょう。

お気づきのとおり、上記の施策は各診療メニューのセールスプロモーションなのです。

多くの医療機関は収益を確保したい、新患を獲得したいと考えています。

診察が的確かどうか、質の高い医療を提供しているかどうかは患者さんの受診後に患者満足度やクリニックへの評価に影響してくることなのでもちろん重要なのですが、1人でも多くの患者さんに来院してもらうためには「患者さん自身が自覚している症状や疾患から受診の意思を引き出す」という予約の入り口でのひと工夫が必要です。

もし、さまざまな症状に対応しているにもかかわらず、患者さんに提示している診療メニューが単調だという場合は、クリニックの強みを活かした診療メニューを「看板メニュー」として独立させ、売り出していくことに、ぜひとも取り組んでいただきたいと思います。

専門職の貴重な時間や管理コストがかかっている設備、機械、部屋のリソースを最適化し、稼働率を上げるために診療メニューの構成を見直すことは、戦略的な予約枠を設計するための第一歩なのです。

4.優先順位の高い診療メニューを先に埋める

診療メニューを見直していくと、それぞれのメニューには、「クリニックが優先的に埋めたいメニュー」や、「長期的な患者さんの治療継続のために空けておくべきメニュー」など、経営視点で見たときの優先順位や役割が存在することに気づきます。

前回の記事で書いているとおり、メディカル革命では、1列の予約表に複数の異なる時間設定をした診療メニューを紐づけることができるため、限られた診療時間の予定表の中に、各予約がランダムに取り合う形で埋まっていきます。

予約の空き枠をWEB予約サイトに公開することで、手動の調整は不要で枠が埋まっていくものの、枠の埋まり方については、患者さんが選んだ日時、患者さんが選んだメニューにより偶発的に決まるので、患者さんに「おまかせ」となります。

言い換えると、予約枠を一律に公開してしまうと、本来クリニックが優先して埋めたい高付加価値メニューの枠が一般診療や汎用的な予約で先に埋まってしまうことがあるということになります。

その結果、利益率の高い施術や、院内オペレーションに合わせて確保したかった時間帯が活かせず、クリニックが意図した収益計画が崩れてしまうのです。

このような枠の使い方のミスマッチは、「気づかないままの機会損失」として蓄積され、1か月、1年単位で見たときに大きな差となって表れてしまいます。

ここで、メディカル革命だからこそできる少し高度なテクニックをご紹介します。

メディカル革命では、各診療メニューごとに細かい設定を行うことができます。
このうち、枠の埋まり方をコントロールできる代表的な設定に次のようなものがあります。

募集期間(公開期間)ー
予約枠をWEB上で受付可能にする期間を設定。設定した期間に応じて、毎日1日ずつ自動で今日から〇日先の日程の予約枠が公開されていく方式(変動型)と、〇月〇日から〇月〇日までのように期間を限定する方式(期間固定型)がある。
予約締切期限 ー
WEB予約サイト上での予約締切。たとえば「1日前」に設定した場合、患者さんは当日の枠は選択できず、翌日からの日時候補からのみ選択可能になる。

診療内容ごとに次の表のように設定するとしましょう。

予約の埋まり方をシミュレーションしてみると、次の図のようになります。

先行公開した予約枠から埋めていく予約戦略のイメージ

● 2ヶ月前はアレルギー初診で受診したい方だけに空き枠を公開するので、患者さんも予約が取りやすいでしょう。アレルギー専門医に診てもらいたいと考える患者さんは遠方からでも日程を調整して予約するでしょうし、クリニック側も優先的に専門の初診を確保することができます。

● 1ヶ月前になると、一般の初診、予防接種のメニューが自動で公開されます。ここでもまだ空き枠に余裕があるため、患者さんは比較的予約が取りやすい形となり、クリニック側は診療点数が高い診療をできる限り埋めておくということができるようになります。

● 2週間前になると、再診メニューも公開されます。「2週間後にまた来てください」とドクターから指示があった患者さん、次の受診タイミングの定期診察の患者さんが、次々に空き枠を埋めていきます。

● 再診は当日でも受付しているので、1日前までにキャンセルが出た枠を別の患者さんが埋めてくれる形にもなります。

● 予防接種はワクチンの在庫確保の関係で早めに締め切るので、当日飛び入りで予約が入ることはありません。

いかがでしたでしょうか?
空き枠公開や締切のタイミングに時間差をつけることで、予約枠がダイナミックに動き始めます。

もちろん、実際の現場では、たとえば1〜2か月先の定期診察の患者さんが予約を取れずに受診できなくなる事態を防ぐために、院内で次回予約を先に押さえるケースや、急性期症状の患者さんを受け入れるために、当日の空き枠を一定数確保しておく必要などもあります。

そのため、単純に自動で全ての枠を埋めるのは難しいかもしれません。

しかしながら、こうした調整を人手だけで行うにはあまりにも複雑です。また、予約運用にこのような「時間差コントロール」という発想があること自体、ご存じなかった方もいらっしゃるかもしれません。

一度ご自身のクリニックにおいて、この仕組みを応用したり、一部でも取り入れることができるかどうか、検討してみていただければと思います。

5.まとめ

メディカル革命で予約を管理すると、クリニックの隠れた価値を発掘したり、ちょっとしたひと工夫で新たな価値を生み出すことが可能になることがお分かりいただけましたでしょうか?

時間・部屋・機械に限りがあり、さらに保険診療では診療報酬を自由に設定できない現場だからこそ、単に「患者数」を増やすだけの従来型の経営戦略を超えて、時間と予約枠を柔軟に設計・最適化することで、収益を最大化する新たな道を切り拓くことが可能になるのです。

本記事を参考にしてご自身のクリニックで予約戦略を実践してみたいと思われた方は、ぜひメディカル革命でお試しいただけましたら幸いです。

メディカル革命で収益上向上を実現されているクリニック様の導入事例

予約システム導入により院内の課題を抽出・解決し、月に30万円の増益、20万円のコスト削減、患者満足度向上(森井整形外科様・東京都)
自由診療割合を100%に!メディカル革命は精度の高い経営シミュレーションを可能にする『未来志向の予約システム』です(山手皮膚科様・東京都)
美容クリニックの開業初月より予約システムを応用し≪予算2倍の売上げ≫と≪人件費1/3≫の両立へ導いた経営管理ロジック(株式会社LOGICA 様)
診療予約システムの切替えで新患増加。キャンセル率は平均1%以下を維持(まつもとクリニック様・東京都)

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目次

  1. 今すぐできる戦略的予約枠設定(中級編)実践方法
    1. 1.患者さんの予約傾向から患者ニーズを把握する
    2. 2.予約カレンダーの空き状況・埋まり状況を俯瞰して把握する
    3. 3.看板メニューを作る
    4. 4.優先順位の高い診療メニューを先に埋める
    5. 5.まとめ
  2. メディカル革命で収益上向上を実現されているクリニック様の導入事例

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