こんにちは。GMO医療予約技術研究所です。
前回の記事で、メディカル革命の構造はクリニックにおける限られた時間、人、部屋、設備等のリソースを最大限に有効活用できる予約枠設計を可能とするため、結果的に収益の拡大に繋がり得ることを解説いたしました。
また、このことが他の予約システムとの大きな違いであることもご説明してきました。
しかしながら、これまでお伝えしてきたように、予約システムの導入は一般的には「業務効率化」を一番の目的とされている医療機関が圧倒的に多いため、具体的にどのように収益を拡大できるのか、想像するのが難しいのではないかと思います。
実際に、メディカル革命をご利用中のお客様もクリニックの方針、人材不足、多忙など、大小様々な課題を抱えながら日々の診療を行っていらっしゃる中で、収益拡大を目指して予約枠を自在に調整されているところはまだまだ少ないのです。
ただし、メディカル革命の可能性にお気づきになり、自ら様々な施策を実行し、弊社の想定をはるかに上回る高度な使い方をして収益拡大を実現されている「匠」も中には存在します。
その匠たちの技については、中級編以降でご紹介するとして、今回は戦略的予約枠設定の初級編となる「今すぐできるちょっとしたテクニック」をご紹介したいと思います。
今すぐできる「戦略的」予約枠設定(初級編)
1.確実に埋めたい診療内容は「陣取りパズル列」から独立させる
前回の記事でお伝えしたように、メディカル革命は1列の予約表に複数の異なる時間設定をした診療メニューを紐づけることができ、限られた時間をそれぞれの予約が取り合う形で埋めていきます。
初めての方にこれを説明するのが難しいのですが、陣取りゲームとパズルをミックスしたようなものとお考えください。仮に、ここでは「陣取りパズル列」と呼ぶことにします。
ドクターが1名の場合、「診察」列を作成してドクターが実際に時間を割く診療メニュー(そのドクターが対応すべき診療メニュー)を紐づけることで、枠が埋まった予約表は無理や無駄のない診療時間の予定表に仕上がるというわけです。
この予約表には、院内からも職員の方々も患者さんの予約を埋めていきますが、WEB予約サイト上にもリアルタイムで空き枠が公開されているため、患者さんの都合の良い日時でランダムにWEBから予約が入ってきます。手動の調整は不要であるため、枠の埋まり方は、「おまかせ」となります。
紐づけるメニューによりバランスが取れればこれで良い場合もありますし、これではクリニックが意図した予約の入り方にならない、という場合もあるかと存じます。
たとえば、特定健診や区民健診、人間ドックなど、予約枠としては30分に1件入るようにいつでも空けておきたい場合。
ドクターの診察は30分もかからないので、通常の診察枠を健診メニューで埋めてしまうのは避けたいところです。
このようなメニューは先ほどの「陣取りパズル」列とは分けて独立して予約を管理することをおすすめします。
激しい陣取り合戦から列を独立させたので、この列は空き枠に余裕ができます。
そうすると、患者さんにとっても、お好きな日時で予約が取りやすくなり、少なくとも空きがないから別のクリニックに行くことにしたり、受診を先延ばしする必要もなくなるというわけです。クリニックにとっても当然、機会損失を防ぎます。
健診、美容点滴、インフルエンザワクチン、骨密度検査など、看護師が対応したり、予約を優先的に入れたいメニューは列ごと独立させて管理させれば良いということですね。
その他にも、「陣取りパズル列」から独立させた方が管理がしやすい診療内容の例として、発熱外来など、特定の部屋を1人の患者さんのためにおさえる必要がある場合などが挙げられます。
複数列を一元管理するときの予約表の見方は縦に一列だけを見るのではなく、時間帯で横に視野を広げて見ます。
慣れないと難しいかもしれませんが、一画面上で見えているのでそれぞれの列を画面を切り替えて見るよりははるかに楽ですし、そもそもクリニックの職員の方々は、膨大なマルチタスクを同時進行で巧みに処理していらっしゃいますので、メディカル革命での管理はむしろ医療現場の方々の動きの再現をしている、とお考えいただけると思います。
この方法はメディカル革命のお客様の多くが実践されている基本的な予約枠の構成です。
そもそもメディカル革命のような複数メニューを1列に紐づける予約管理ができない予約システムでは、むしろこちらの方法のほうが馴染みがあるかもしれません。
メディカル革命では、より効率よく時間を管理するために、ある診療メニューは列を独立して管理し、その他の列では、複数の診療メニューを陣取りさせながら埋めていくというように、目的やリソースに合わせて両方のスタイルを組み合わせて併用できるとお考えください。
2.とくに埋めたい診療内容は予約サイトでも目立たせる
次は予約枠の話というより、一般的な商品の販売戦略のお話です。
本屋さんでは新刊本や売れ筋の本を店内の最も目立つ場所に平置きして並べます。これらの本が棚に入れられ、背表紙だけが見えている状態だと、読者は本を探すのに苦労してしまいます。
本屋さんはベストセラー本を表紙や帯がすぐに目に留まりやすいように戦略的に置いているのですね。
これとまったく同じで、診療の予約もとくに埋まってほしい診療内容は予約サイトのトップページで目立たせるというのも1つの戦略です。
他のメニューボタンと色を変えるなどすると、患者さん側からも分かりやすく、迷わずに済むので、なお良いと思います。
分かりやすい実践例は「インフルエンザワクチン」の予約です。
メディカル革命をご利用中のお客様は、「インフルエンザワクチンの予約」というボタンを準備中の段階から出しておきます。
まだ予約は取れず、「〇月〇日から予約受付開始」という表示のみにしておきます。
予約取得方法の案内ページを確認できるようにする場合もあります。
こうすることで、患者さんは次のようなステップを踏み、いざ受付を開始したときに予約をしてくださる確率が上がるでしょう。
予約サイトに案内を出すことで、患者さんの行動はどうなる?
● このクリニックでインフルエンザワクチンを打てることを認識する
● インフルエンザワクチンの予約取得方法を確認できる
● 受付を開始したら早めに予約しようと考える
仮に上記のことをしなかったら、患者さんは他のクリニックからの案内を受けてそちらに行ってしまうかもしれません。
上記のような取り組みはメディカル革命をご利用中のお客様の中ではすでに実行されていることが多いです。
目立たせる診療内容例
●「インフルエンザワクチンのご予約」
●「歯科矯正無料相談のご予約」
●「オンライン診療のご予約」
●「医療脱毛 平日プランメニュー」
●「〇月限定 ニキビ撃退メニューのご予約」
メディカル革命では、予約サイトのメニューボタンの構成をお客様側で変えたり、文言やカラーをお好きな色に設定することができますので、とくに予約を埋めたい診療内容がありましたら、ぜひ、予約サイトのトップページで分かりやすいように表示してみてください。
いかがでしたでしょうか?
クリニックの収益は患者さんとの接点となる予約システムでのちょっとした工夫で改善する可能性があることにお気づきいただいたのではないかと存じます。
本記事を参考に、予約枠構成や患者さんへの周知方法において、実践してみたいアイディアが浮かびましたら、ぜひ取り組んでみていただけますと幸いです。
メディカル革命で収益上向上を実現されているクリニック様の導入事例
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