こんにちは。GMOリザーブプラスです。
前回の「クリニック向け予約システム選び方ガイド⑤ LINE活用で差がつく時代へ─選ぶべきは“つながりを活かせるかどうか”」では、予約システムは単なる受付機能ではなく、患者さんとの関係性を継続し、次回の来院につなげる仕組みであることをお伝えしました。
その中で、LINEは「来院時だけの接点」を「来院後も続く接点」に変える有効なツールであり、これからのクリニック経営において重要な基盤になるとご紹介しました。

今回はそこから一歩進めて、LINE活用によって実際に患者さんの予約行動がどう変わるのか、そしてそれがクリニック経営にどのような差を生むのかを、マーケティングの視点から解説してみたいと思います。
1.クリニックのLINE活用が集患に影響する理由
1-1 患者さんは「思い出したクリニック」に行く
マーケティングでは、単純接触効果(ザイアンス効果)という心理学の法則がよく活用されています。
これは、人は同じ対象に繰り返し接触するほど、好意や信頼を感じやすくなるというものです。
つまり、人は一度見ただけでは行動しないということです。
この原則は医療の世界にも当てはまります。
患者さんが日常生活の中で、
「そういえば、あのクリニックは消化器も診てくれるんだったな」
「いつもの先生に相談してみよう」
と思い出す機会があるかどうか。
この差が、再来院につながる大きな要素になります。
LINEは患者さんのスマートフォンに自然に情報を届けることができるため、接触回数を増やすツールとして非常に有効です。

1-2 LINE友だちはクリニックの「ハウスリスト」
単純接触効果とあわせて、マーケティングでもう一つ重要なのが「ハウスリスト」という考え方です。
これは、自社が継続的に連絡を取れる顧客リストのことを指します。
クリニックにおいて、その代表的な手段がLINEです。
一度来院した患者さんに対して、
● 健康情報
● 診療案内
● ワクチン情報
などを継続的に届けることができます。
以前は、医療機関から積極的に情報発信することに慎重な先生も少なくなかったと思います。
しかし実際には、患者さんの受け止め方は必ずしもネガティブではありません。
むしろ、
「教えてくれて助かった」
「知らなかったので助かった」
「ちょうど気になっていた」
と感じるケースも少なくありません。
これは、多くの人は忙しく、健康情報を自ら積極的に調べているわけではないためです。
マーケティングの視点で見ると、LINEは単なる連絡手段ではありません。患者さんとの接点を継続し、必要なときに思い出してもらうための重要なチャネルです。

2.LINEからの予約導線が友だち登録を増やす
2-1 「LINE始めました」だけでは登録されない
クリニックが公式LINEアカウントを開設しても、 ただ「LINE始めました」と院内掲示をするだけでは、友だちはなかなか増えません。
なぜなら、患者さんにとって登録する理由やメリットが見えにくいからです。
患者さんがLINEに登録するのは、単に情報を受け取るためではなく、予約や予約日時の確認が便利になるからです。
つまり、友だち登録を増やすには、「登録すると何がラクになるのか」が明確であることが重要です。
実際に、弊社の予約システムをご利用いただいているクリニックでは、開業1年目でも
● LINE友だち数 2,000人以上
● 多いところでは 6,000人以上
という例も珍しくありません。
これほどの友だち登録が進んだ理由の一つとして考えられるのが、使いやすいLINE予約導線です。
一般的に「LINE予約」といっても、LINEからWEB予約ページへ移動し、そこでログインや各種入力が必要になるケースも少なくありません。
その場合、患者さんにとっては、
・ログインIDを探す
・パスワードを入力する
・メールアドレスを登録する
といった手間が発生します。
特にご高齢の患者さんにとって、こうした操作は予約前の大きなハードルになりやすいものです。
一方、メディカル革命のLINE予約は、LINE上のチャットボット形式で患者登録とアカウント連携が完了するため、
〇 ログインID不要
〇 パスワード不要
〇 メールアドレス登録不要
で、そのまま予約・確認・変更までスムーズに進めます。

「予約したい」と思った瞬間に、迷わずそのまま使える。
この体験の差が、利用率や友だち登録数の差につながっています。
デジタル化で重要なのは、多機能であることより、迷わず使えることです。
つまりLINEは、単なる情報発信ツールではなく、誰にとっても使いやすい予約窓口として機能しているのです。

2-2 LINE活用の差は予約行動の差になる
LINE登録者数は、単純に患者数に比例するわけではありませんが、実際には、LINEを積極的に活用しているクリニックほど、
● LINE登録者数が多い
● 予約行動が活発になる
● ワクチン予約や再来院につながりやすい
という傾向があります。
たとえば、毎月千人の患者さんが来院する同規模の小児科クリニックが2院あったとします。
患者数や診療規模がほぼ同じでも、ワクチン予約の集まり方に差が出ることがあります。
その違いを分ける要因の一つが、必要なタイミングで患者さんに情報を届けられるかどうかです。
接種開始日、空き枠、再入荷、追加日程などの情報をLINEで素早く案内できるクリニックほど、予約が早く埋まりやすい傾向があります。
患者さんは、自ら必要な情報を探しに行くよりも、日常の中で届いた有益な情報に対して、タイミングが合えばその場で行動しやすいものです。
マーケティングでは、行動は関心の強さだけでなく、情報が届くタイミングや行動のしやすさにも大きく左右されると考えられています。
だからこそ、LINE活用の差は、そのまま予約行動の差となって表れるのです。
2-3 フルミストワクチンの実例
これは、実際に弊社のお客様である小児科クリニックの院長先生から伺った事例です。
特に印象的だったのが、フルミストワクチン(噴霧型インフルエンザワクチン)の予約でした。
再入荷、再々入荷のタイミングで、LINEから
「人気のため、お早めにご予約ください」
と案内したところ、最終入荷の時点では、半日もしないうちに予約枠が満席になったそうです。

クリニック側としては、「必要な方に早めにお知らせしたい」という自然なご案内だったとのことですが、結果として患者さんの予約行動を大きく後押しする形になりました。
また院長先生によると、近隣には
● 予約システムを導入していない
● 電話受付のみ
というクリニックも多く、フルミストワクチンを余らせていたところもあったそうです。
患者さんの行動は、とてもシンプルです。
予約しやすいクリニックが選ばれる。
電話をかけて在庫確認をしたり、受付時間内に何度も連絡したりするより、スマートフォンで空き状況を確認し、そのまま予約できるほうが選ばれやすいのは自然な流れです。
いまや「スマートフォンで簡単に予約できるかどうか」は、クリニック選びの重要なポイントになっています。
3.LINE活用の本質は「リマインド」
ここまで見てきたように、LINEは予約を便利にし、友だち登録を増やす強力なツールです。
しかし、マーケティングの視点で見ると、LINEの価値はそれだけではありません。
患者さんに必要なタイミングで行動を後押しできることに、大きな価値があります。
マーケティングでは、「必要な瞬間に思い出されること」が行動につながる重要な要素とされています。
医療においても、診療の質に加えて、必要なときに患者さんに思い出してもらえるかどうかが来院行動を左右します。
これは、かかりつけ医の受診、定期検査、ワクチン接種など、継続的な医療行動ほど顕著です。
たとえば、
● 予約前日の通知
● 定期検査の時期のお知らせ
● ワクチン接種のご案内
● 健診や再診のタイミング通知
などは、患者さんにとって必要性があっても、日々の忙しさの中で後回しになりやすいものです。
患者さんの心理を考えると、受診したくないのではなく、忙しさの中で優先順位が下がってしまうのです。
そこで有効なのが、自然に思い出してもらうリマインドです。
その役割を担えるのがLINEです。

このリマインド機能をさらに強化するため、弊社ではこのたび 「LINEdeピンポイント配信」機能 をリリースしました。
この機能では、
● 年齢
● 性別
● 誕生月
● 予約履歴
● 前回受診日
などの条件をもとに、対象患者さんへ自動でLINE通知を送ることができます。
たとえば、
● 前回受診から○か月後
● ○歳の誕生日
● 特定診療の受診歴がある方
● 接種時期が近づいた患者さん
など、必要な方へ必要な時期に案内できます。
これは単なる一斉配信ではありません。
必要な患者さんに、必要な情報を、必要なタイミングで届ける。.
いわば、医療版のターゲティング施策です。
たとえば、50歳以上の患者さんに帯状疱疹ワクチンのご案内を送るケースがあります。
帯状疱疹は50歳以降で発症リスクが高まる一方、その予防やワクチン情報は、まだ十分に知られているとは言えません。
そこで、50歳の誕生日を迎えた患者さんへ、
「帯状疱疹ワクチンのご案内」
をLINEで届け、そのまま予約ページへ案内する。

これは患者さんにとって有益な情報提供であり、クリニックにとっても効率的で無理のない集患施策です。
売り込むのではなく、必要な医療情報を、必要な人へ届ける。
それが、これからの医療マーケティングで成果を生む考え方です。
4.LINE活用が患者さんとのつながりを継続させる
検索による新規集患は、もちろん重要です。
しかし、クリニック経営を安定させるうえで大切なのは、一度来院された患者さんとの関係を、その後も途切れさせないことです。
前回の記事でもお伝えしたように、これからは「来院時だけの関係」ではなく、来院後もゆるやかにつながり続ける仕組みが求められています。
LINEは、その継続的な接点を日常の中で自然につくりやすいツールです。
LINEがあることで、
● 来院後も情報を届けられる
● 必要な時期に受診を思い出してもらえる
● ワクチンや健診の案内ができる
● 予約確認や変更もスムーズに行える
● 次回の来院につながる接点を持ち続けられる
といった継続的なコミュニケーションが可能になります。
患者さんにとっても、
● 気になる情報が自然に届く
● 必要なときにすぐ予約できる
● 忘れず受診しやすい
● いつものクリニックに相談しやすい
という安心感や利便性につながります。
そして、その接点を実際の来院行動へと結びつけるのが予約システムです。
LINEで情報が届き、受診を思い出し、そのまま予約できる。
この流れが整っていることで、患者さんとの接点は来院へと自然につながります。
つまり、LINEが「つながり」を生み、予約システムが「行動」を支える。
この二つが連携することで、患者さんとの関係はより継続しやすくなります。
これからの時代は、来院時の満足だけでなく、来院後も必要なときに選んでいただける関係づくりが重要です。
そこに、クリニックごとの差が表れていきます。
LINE活用は、患者さんとの関係を育て、継続的な来院につなげる有効な取り組みと言えるでしょう。

まとめ
いかがでしたでしょうか。
LINEは、単なるお知らせの手段ではなく、患者さんとの関係を来院後も継続し、必要なときの受診や予約につなげるための有効なツールです。
そして、その価値は予約システムと連携することで、より大きく発揮されます。
これからのクリニック経営では、新しく患者さんに来ていただくことに加え、一度つながった患者さんとの関係を育てていく視点が重要になります。
その取り組みの一つとして、LINE活用を見直すきっかけにしていただけましたら幸いです。
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