こんにちは。GMOリザーブプラスです。
これまで本シリーズでは、インターネット集患において、新規患者の獲得のためには検索段階での対策が有効であることをお伝えしてまいりましたが、地域や診療科の特性から、常に安定して新患を獲得することは難しい場合もあると思います。
一方で、リピーターを増やすことは新患を呼び込むよりもはるかに効率が良いことは皆様ご承知のとおりです。
一度受診した患者さんの定着化に力を入れることが、クリニックの信頼、評判を高めることになり、新たな患者さんの来院増につながるという間接的な集患効果も期待できますので、ぜひここは仕組み化をしていきたいところですね。
1.集患は接遇が大事、患者さんとの接点を増やすには?
患者さんにリピートしてもらうには、やはり接遇が大事です。
診察、受付の案内、予約のしやすさ、待ち時間の削減などリアルな通院環境はもちろんのこと、最近ではホームページに詳細な診療情報を載せたり、臨時休診日などのお知らせの適時アップデートを行うなど、オンラインでの情報掲示にも気を配らねばならず、接遇の範囲も以前とは比較にならないほど広がっていると言えます。
ただし、情報のオンライン化が進んだことにより、患者さんにとっては医療機関がより身近になっていますし、医療機関にとってはオンライン上で患者さんとの接点を増やすことで、リピーターを増やすチャンスが得られますので、集患の取り組みの一環として検討いただければと存じます。
2.集患のために取り入れたいLINEによる集患アプローチ
患者さんとの接点を増やすために最も手軽に始めやすい手段といえば、LINEです。
今さらお伝えするまでもないですが、LINEは次の特徴により、すでに多くの医療機関で患者さんとの間のコミュニケーションに有効活用されています。

● メールより開封率が高い
● 世代を問わずユーザーが多く、高齢の方も利用している
● 友だち登録している方に直接メッセージを届けることができる
そこで、今回は、LINEで友だち登録している患者さん(未受診の方も含む)に積極的なアプローチを行う例や、予約システムとの連携で可能となるLINEを活用したフォローアップ例をご紹介いたします。
● LINE公式アカウントを作ったは良いが、活用の仕方が分からない。
● メッセージ発信ができていない。
● 運用担当者がいない
などで、これまで十分にLINEを活用できていなかったクリニック様も参考にしていただけますと幸いです。
3.集患につながるLINE活用例
3-1.クリニックの最新情報を発信する
クリニックの公式LINEアカウントに友だち登録している方は、クリニックを受診したことがある、または少なくともそのクリニックに興味があり、受診する見込みがある方ですので、これらの方々に対して、クリニックの情報を一斉配信することの集患効果について考えてみましょう。
クリニックからLINE一斉配信するお知らせの例
● 年末年始などの長期休暇の案内
● 臨時休診のお知らせ
● インフルエンザ予防接種予約受付開始の案内
● 診療時間・診療体制変更について
休診日などのお知らせはホームページを見てもらえれば良いとお考えのクリニック様は多いですが、クリニックを一度受診して勝手を知っている患者さんが毎回ホームページをチェックすることは考えにくいです。
一方で、年末はいつまで診療しているかなど、自分が受診したいタイミングでのクリニックの最新情報を知りたい患者さんは一定数いらっしゃいます。
クリニックからあらかじめ情報が送られていれば、わざわざホームページを確認しに行く手間や電話で問い合わせする手間が省けますし、予定が合えば他のクリニックをわざわざ探す必要もありません。
患者さんはこうした情報がクリニックから送られることに対して不快な印象を受けることはありませんので、リピート促進、集患のためにこれらの情報をLINEで配信するメリットは十分あると言えるでしょう。
💡 ここがポイント
● 時候の挨拶など格式ばった文章は不要です。受け取り側も慣れているので、「こんにちは。」などのフレンドリーな挨拶から書き出してみましょう。
● 診療体制や予約受付ルールの変更などのお知らせをする際は、一方的な告知文で終わらせず、患者さんへのメリットや変更の背景などを一緒に伝えると良いでしょう。
3-2.医療機関ならではの患者さんの健康維持に役立つ情報や関心が高い情報を発信する
LINEの友だち登録者の中には、定期的に通院する必要がない方や、クリニックを未受診の方も含まれます。
次の記事でも紹介しているピンポイントで患者さん個別に最適化した受診案内を送ることも特別感の創出には良いのですが、それだけですと、友だち登録している今後受診の見込みがある方に幅広くクリニックについて関心を持ってもらうことはできません。
そこでお勧めなのが、LINEの一斉送信機能を利用して、次のようなライトなお役立ち情報を発信する方法です。
LINEで患者さんの関心のある話題を提供し、クリニックとのつながりを維持する例
● 院長先生の専門的な知識を活かした健康に関するショートコラム
● 周辺地域の感染症の流行アラート
● 内視鏡検査の実績数
● 50歳以上の方は帯状疱疹ワクチンを受けましょうなどの予防に関する啓蒙的情報
これらの情報はふだんは元気に忙しく過ごしているために自身の健康を気遣うことを忘れてしまいがちな層に、健康を維持するために必要なことは何かを気づかせる役目を果たします。

受け取った側も、もう少し手軽に健康に関する情報を得たくても、自分から情報を探すのは手間だと思っているところへ、専門家からのアドバイスが届くのですからありがたいはずですし、ふだんはなかなか知ることができない院長先生の人柄や想いを知ることができる貴重な機会となります。
また、周辺地域の感染症の流行情報については、その地域の学校や保育園の患者を診ているクリニックからしか得られない貴重な情報ですし、検査やワクチンの情報もネットの記事で必要性を認識するよりも専門クリニックからの案内があった方が現実的且つ身近に捉えやすいのです。
以上のことから、LINEを活用した友だち登録者へのアプローチはクリニックにより親しみを感じ、受診するきっかけを作る効果、つまり集患の効果があると言えるのではないでしょうか。
💡 ここがポイント
● メッセージは長文である必要はありません。もし、院長先生がホームページにブログ記事を書いているようでしたら、記事内容の簡単な紹介文を書いて、記事へのリンクを送ってください。
● 頻度は月1~2回で十分です。「お知らせをもらったので、受診してみようと思った」という患者さんが現れたら、このアプローチは成功です。
● 「〇〇クリニックです」ではなく、「院長の〇〇です」「スタッフの〇〇です」「理学療法士の□□です」のように発信者が誰かを明確にすると、患者さんはより親近感を抱きやすいです。
まとめ
クリニックのLINE公式アカウントの友だち登録者は、未受診の方も含め、クリニックへの関心がある方々です。
LINEを活用したクリニックからの情報発信は、これらの方々にクリニックの雰囲気を伝え、心理的距離を縮めることができますし、結果として、受診のきっかけを作り、リピーターを増やしたり、定着させることができます。
院長お一人で続けるのが大変な場合は、職員様と運用方法や自院に適した取り組みについて話し合ってみることもおすすめいたします。
次の記事では、友だち登録者増とリピーター定着化につなげるLINE活用例をご紹介します。
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