こんにちは。GMO医療予約技術研究所です。
前回の記事でも書いたとおり、予約システムはクリニックの収益と関連しており、クリニックの経営において重要な役割を担うことができるシステムですが、このような認識は一般的にはまだまだ浸透していません。弊社ではその理由を医療現場の複雑な要件に対応し、時間を上手に管理ができる予約システムが少ないからと考えています。
本記事では、これから予約システムを選ぶ、または収益が伸び悩んでいる、運用を変えて職員の満足度を上げたい、などとお考えのクリニック様に参考にしていただけるよう、一般的な予約システムとメディカル革命との違いについて解説していきます。
医療現場の時間管理に求められるものとは?
1.一般的な予約システムの仕組み
診察の予約表を作成してみましょう。
紙台帳、またはExcelで「予約表」を作るとしたら図のようになるでしょうか?
30分ごとに最大5人まで受付する時間帯予約の場合、各時間帯ごとにお名前の記入欄を5枠ずつ用意します。
希望の日にち、時間を聞いて、誰の予約かを予約台帳に書き込めれば、それは立派な予約表です。5枠埋まったら満席です。
一般的な予約システムもこれと同じように時間帯ごとに枠数で管理することが多いようです。
または、予約表をあらかじめ時間によりコマ割りしておき、1コマに1件、予約の方のお名前を書き込むスタイルを採用している予約システムも存在します。1コマを〇分と決め、予約内容によっては「2コマ分」あるいは「3コマ分」埋めるという方法をとり、やはり「枠数」での管理となります。
定員があり、満席になったら受付終了となるような性質の予約や、単純に来院者の一覧表を作りたい場合にはこのような管理方法で管理すると良いでしょう。メディカル革命でももちろん同様の枠管理が可能です。
2.医療現場の予約管理はもっと複雑である
このような予約枠はシンプルで管理はしやすいのですが、実際の医療の現場においてはどうでしょうか?
医療機関では急な症状で来院する患者さんがいますし、患者さんの主訴、処置内容によっては診察の時間は長引いたり、短くなったりします。30分あたり最大5人までを想定した枠でも、手動でいくつかの枠をブロックするなどの調整が必要となります。
3.順番待ちの場合
次に、診察を当日の順番待ちで運用するケースを見てみましょう。
順番待ちの場合はこの患者さんは長くかかるから次の枠をブロックして・・・というような手動の枠数調整もできません。
患者さん1人あたりの診察時間を平均3分と見込み、30分で10人診れると想定して、毎日その通りに診察が進めば良いのですが、実際には朝9時から並んで10番目をとった患者さんはその前に順番をとっている患者様の主訴に応じて所要時間が変化するため、30分待つ場合も2時間待つ場合もありえます。
診察の順番待ち運用の理想と現実
順番待ちルールをメインで採用している限り、いくら順番待ちシステムを導入して患者さんの利便性が向上したとしても、次のような課題が残り続けるので、クリニックの経営を安定させることは難しいでしょう。
順番待ちを採用している多くのクリニックが抱える課題
●日によって大幅に診療時間をオーバーする(職員の残業時間も増える)
●待ち時間についての患者さんの不満が増える
●蓋を開けてみないとその日の来院数が分からない
●あらかじめ決めた時間指定がないため 看護師・セラピストなどの専門職のリソースを活かしきれない
●先々の売上の見通しが立たない
4.「枠数」をベースにした予約管理の限界① 医療の予約管理は複雑で繊細
弊社は医療の現場では、順番に名前を書き込むだけの順番待ちや時間帯で〇人まで受付とする「枠数」をベースにした考え方では限界があると考えます。
なぜでしょうか?
医療従事者は安全な医療を提供するために患者さん1人1人に対して複雑な判断を瞬時に行い、臨機応変に対応する必要があります。患者さんによって診療時間も異なり、症状によってレントゲンを撮ったり、採血したり、関わるスタッフも部屋も変わることがあります。
その他にも様々な要素、ニーズを取り込んで毎日の診療を行うとなると、「枠数」をベースにした単純な枠管理を行うだけの予約システムでは対応しきれなくなり、より細かい対応と調整を「人」に任せるしかない状況を生み出すからです。
このように医療機関の予約管理は複雑で繊細なので、より柔軟なシステムが求められます。
5. 「枠数」をベースにした予約管理の限界② 時間(リソース)には限りがある
そして、「枠数」をベースにした考え方に限界がある理由はもう1つあります。
それは、時間(=リソース)には限りがあるからです。
昨日も一昨日も患者さんが20人しか来なかったのに、今日は100人来ているから収益を伸ばすために、枠数を増やして全員受付しよう・・・ということが可能でしょうか?
診療時間は決まっていますし、職員の勤務時間も決まっています。待ち時間も増え、残業時間も増え、コストも増えるので、枠を足せば良いというものでもありません。
クリニックのリソースは時間だけではありません。
人、部屋、設備、機械、これらも限りがあります。
6. 限られたスタッフ数・時間・空間で収益を最大化するには?
限りがある、無限ではない、という中で、「今日は患者が多かった」「今日は少なかった」というような結果を受け入れるのみの運用で、限られた時間内に収益を最大化することができるのでしょうか?
混んでいるクリニックで診察の受付に当日の順番待ちシステムを採用している場合も同じです。混んでいるということは患者数が多いのですが、職員は毎日の対応に精一杯で、残業はなかなか減りません。この運用で、収益を伸ばしたいと思って新しいことを始めることができるでしょうか?
限られたスタッフ数・時間、空間で収益を最大化するには、一般的な医療機関の収益構造の考え方、「患者数」 × 「診療単価」に加え、プラスで「リソース管理」という要素を考えることが必要なのです。
ここでようやく、メディカル革命の出番になります。
次の記事では、収益改善を可能にするメディカル革命の独自のシステム構造について解説していきます。
メディカル革命で収益上向上を実現されているクリニック様の導入事例
● 予約システム導入により院内の課題を抽出・解決し、月に30万円の増益、20万円のコスト削減、患者満足度向上(森井整形外科様・東京都)
● 自由診療割合を100%に!メディカル革命は精度の高い経営シミュレーションを可能にする『未来志向の予約システム』です(山手皮膚科様・東京都)
● 美容クリニックの開業初月より予約システムを応用し≪予算2倍の売上げ≫と≪人件費1/3≫の両立へ導いた経営管理ロジック(株式会社LOGICA 様)
● 診療予約システムの切替えで新患増加。キャンセル率は平均1%以下を維持(まつもとクリニック様・東京都)