「LINE予約」「外国語(英語・中国語)対応」が絶対条件、患者目線の予約システム選定
――開業当初からLINEの活用、オンライン診療さらには外国語対応、といった明確なお考えをもとにメディカル革命を導入頂いていますが、その背景と選定の決め手について教えてください
開業にあたり、とにかくアナログなもの、特に紙の業務をなくしたいという強い思いがありました。その上で、患者さんにとって最も負担の少ないシステムは何かと考えたとき、普段誰もが使い慣れているLINEで予約を取れることが絶対条件でした。
多くの予約システムが患者さんに専用アプリのダウンロードを求めますが、メディカル革命のシステムは、予約はもちろん、オンライン診療から決済、さらにはQRコードを使った診察券機能まで、全てLINEで完結します。この高い集約性が最大の魅力でした。
また、外国語対応が可能であることも重要な条件でした。驚いたことにオンライン診療システムなら海外からのアクセスは当然できるものだと思っていたのですが、実際にはほとんどのベンダーが対応していませんでした。そんな中、当院の要望である海外からのアクセスや外国語対応を唯一満たしてくれたのが、メディカル革命だったのです。
距離の壁を越えるオンライン診療システム、海外からの確かな手応え
――実際にメディカル革命のオンライン診療を導入されて、どのような成果がありましたか?
最も大きな成果は、物理的な距離によって婦人科専門医へのアクセスが困難だった方々に医療情報を届けられるようになったことです。
例えば、開業からまだ半年ですが、すでにニュージーランド、シンガポール、オーストラリア、アメリカなどといった国に在住している日本人の方に対して、オンライン診療機能を通じて医療情報を提供、懸案でもあった決済※も海外から問題なく行えています。※fincode by GMO提供

――ご開業からすでに5件以上、すごいですね。具体的にはどのようなご相談がありますか?
現地で子宮筋腫と診断されたニュージーランド在住の方がセカンドオピニオンを求められたり、日本での手術を決めた方が帰国前にオンライン相談を受けられたりといったケースです。
後者のケースは、患者さんの都合で日本での滞在期間が短かったのですが、事前にオンライン相談を行ったことで、帰国後すぐに手術ができる体制を整え、患者さんのご都合に沿ったかたちで必要な治療を提供できました。
また、手術後も同じ担当医がオンラインでフォローできることは、患者さんの大きな安心につながっていると思います。距離の壁を越えて、診断から治療、アフターフォローまで一貫して関われるのは、メディカル革命導入の大きな利点です。
今後は、国内の離島地域や専門の医療機関が少ない地方にお住まいの方なども、海外在住の方と同じお悩みをお持ちだと思いますので、同様のアプローチで適切な診療を届けていきたいと考えています。

――メディカル革命のオンライン診療で、特に便利に感じている点はありますか?
メディカル革命のオンライン診療にある「待機室」機能(患者さんが先にオンライン診療画面にアクセスし、医師を待つ機能)が非常に便利です。
この機能は、患者さんに医療機関側から連絡をする従来のコール式よりも、患者さん自ら時間になったらオンライン診療にアクセス、医療機関側では患者さんが待機されると分かる仕組みになっているので、患者さんが院内の待合椅子で待たれているか、オンライン上で待たれているかの違いだけの為、オンライン診療専用の診察時間を作らずとも、通常の診療時間にオンライン診療を効率的に組み込めています。
月平均6人以上の外国人新患、多言語機能がもたらす集患効果
――国内在住の外国人患者さんの診療についてはいかがでしょうか。多言語機能の手応えを教えていただけますか
こちらも非常に良い手応えを感じています。
多言語機能の利用を開始してから、新規の外国人患者さんは月に平均6人以上とコンスタントに来院され、今月は2週間ですでに9名が予約、来院をされており、単純比較で200%の伸び率です。当院の開業が昨年11月であることを考えると、これは想定以上に多い数字です。
多言語機能利用の患者さんはアジア圏の方が一番多く、その他にもEU圏、近隣大学の留学生など、様々な国籍の方がいらっしゃいます。対応言語は主に英語と中国語です。印象的だったのは、東京在住の台湾からの留学生が「中国語対応の病院が少ないから」という理由で、わざわざ当院を受診してくださったことです。
メディカル革命の多言語機能により言語の壁を取り払ったことで、診療提供が日本全国、ひいては世界にまで広がったと実感しています。
――今後のインバウンド需要や医療ツーリズムへの取り組みについてはいかがでしょうか
インバウンド需要や医療ツーリズムにもしっかりと対応していきたいと考えています。婦人科系の良性疾患や手術を目的に来日する仕組みはまだ少ないですが、関西では万博やIR計画もあり、需要が増える可能性は非常に高いです。
課題は「海外患者にどう情報を届けるか」です。旅行代理店、在住外国人向けNPO、富裕層向けエージェントなど多様なチャネルと連携し、当院や関西の医療の魅力を発信していきたいと思っています。海外ではGoogle Mapの利用率が高いので、インバウンド患者へのアプローチに適していると感じ、外国語対応のオンラインマップ集患*のような成果報酬型集患にも期待しています。*弊社提供オプションサービス
「言語料」に込めた想い、提供する”価値”への正当な対価
――貴院では外国語対応に「言語料」を設定されていますが、これにはどのようなお考えがあるのでしょうか
これは単に「外国語を話す」ことへの対価ではありません。外国語対応のシステム維持費はもちろん、受付から診察・会計に至るまで、外国人患者さんがストレスなく快適に診療を受けられる、外国語に対応する環境全体を整備することへの正当な対価という考え方です。私たちの提供する高度な知識や技術、そして患者さんのために費やす時間には、目に見えなくとも価値があります。その価値に対して正当な対価をいただく文化を医療界に作っていきたいのです。

理想の医療の実現へ、デジタル化がもたらす「時間」と「心の余裕」
――最後に、錢院長が描く医療の未来像と、そこでのメディカル革命の役割についてお聞かせください
私が目指すのは、デジタル化によってアナログ作業から解放された医療従事者が、それぞれ本来の業務に集中できる環境を作ること、そして、捻出された時間と心の余裕を本来の役割である患者さんへのケアにしっかりと注力していくことです。
今後5年、10年、20年と見据えた時、 メディカル革命のオンライン診療と多言語機能が、地理や言語の壁を超え、孤立する患者を減らす手段になると私は信じています。国内の人口減少が進む地域では、これらの機能が医療アクセスの鍵にもなります。
そして、提供される医療サービスの価値が正当に評価される文化を醸成していく。テクノロジーの力を最大限に活用し、患者さんにとっても、医療従事者にとっても、より質の高い医療を実現していきたいと考えています。
メディカル革命は、まさにその理想の実現に貢献してくれています。
――編集後記
メディカル革命の活用が、クリニックの成長と医療の質の向上に直結していることがよく分かりました。
特に印象的だったのは、オンライン診療や予約システムの海外からの利用を実現するまでのストーリーです。錢院長の海外対応への粘り強い想いがあったからこそ、この画期的な機能が完成し実装に至りました。弊社の担当者および技術者も、その細やかなご要望に真摯に向き合い、最後まであきらめずに伴走することで、クリニックの想いを形にできたことを大変光栄に思います。
今後も錢院長が目指す未来の医療のカタチに貢献できるようさらに機能を充実させていきたいと思います。
▼ 芦屋ウィメンズクリニック WEBサイト
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