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予約データとWEBアクセス分析で見える集患・導線改善のヒントー統計データ活用②【応用編】

予約データとWEBアクセス分析で見える集患・導線改善のヒント
メディカル革命コラム
Yuko Inoue

こんにちは。GMOリザーブプラスです。

前回の記事では、統計データを活用するためには、まずは日々の診療の中で予約データを蓄積することが大切であることをお伝えしました。

予約データを日々蓄積し、年齢層や来院エリア、キャンセル率、人気のある施術などを把握できるようになると、少しずつ「どんな患者さんが、どのような理由でうちのクリニックを選んできているのか」という輪郭が見えてきます。

予約データの可視化が改善への出発点となり、次のステップで具体的な改善策につなげていくことができるというわけですね。

そして今回は、その応用編として、「どこから患者さんが来ているのか」、「ホームページを見た人が、実際に予約に至っているのか」といった患者さんが来院する前の行動を分析するために、予約導線全体を見渡し、改善に取り組む方法をご紹介したいと思います。

1.なぜ「予約完了までの導線」を可視化すべきか?

多くのクリニック様が、Google アナリティクス、またはホームページ制作会社が提供するサービスを利用して次のような自院のホームページに関する数値を把握されていると思います。

● ページごとのアクセス数、平均滞在時間
● ページへの流入元(検索、SNS、広告など)の比率
● よく見られているページ、閲覧時間帯の傾向

しかし、ホームページにアクセスした患者さんが「実際に予約したかどうか」まで追うことは難しいはずです。なぜなら、ホームページと予約システムはもともと別のシステムであるため、WEBアクセス数、予約数を組み合わせて分析するには専門的なツールを利用する必要があるからです。

とはいえ、集患という観点からは

● WEB予約が減っているのは、ホームページのアクセス数が減っているから?
● 新しい施術メニューの認知向上のためにホームページに新しいページを追加し、効果を確かめたい

など、WEBアクセス数、予約完了数の相関関係まで把握できてようやく予約導線全体の改善ポイントが見えてくると思います。

2.「予約コンバージョン率」はWEB施策の効果測定の基礎データ

そこで重要になるのが、「予約コンバージョン率」という考え方です。

予約コンバージョン率とは、ホームページのアクセス数に対して、どのぐらいの人が実際に予約したかの割合のことです。

この比率を把握することで、ホームページや予約導線にどこかボトルネックがないかを見つけることができます。

予約コンバージョン率が分かると、たとえば、以下のような課題が明確になってきます。

● ホームページのアクセスは多いが、予約ページまでの動線が分かりにくい
● 特定の施術のページからの予約率が高い
● 予約サイトまで遷移したあとの予約率が低いのは、直近の空き枠がないためである

これらは、ホームページのアクセス数あるいは予約データなど、単体の分析では見えてこない情報です。

3.可視化から実行へ ― データに基づく改善アプローチの具体例

では、集患の課題が見つかったところで、どのように実際の改善につなげたら良いでしょうか?

以下のようなアクションが考えられます。

● 予約率が低いホームページに「予約ボタン」やQ&Aなどを追加する
● 予約サイトに来てからの離脱を防ぐために、予約枠数の調整を行う
● 予約サイトで患者さんが迷わないメニューボタンを配置する
● メニュー別稼働率を元に、優先的に埋めたい施術メニューのキャンペーンをホームページ上で行う
● 若い年齢層の来院を増やすために、SNSの投稿を強化する
● アクセスが多いエリアに合わせて広告戦略を見直し、予約データのエリア別統計でその効果測定を行う
● 流入元によって予約コンバージョン率に差がある場合、広告の出し方を見直しする

このように分析だけで終わらせず、具体的な行動に落とし込むことが、経営改善には非常に大事です。
そして、改善を行うことで、収益改善や広告費の最適化にもつながっていき、よりスマートな経営戦略を立てることができるようになります。

4.WEBアクセスデータと予約データを活用した集患改善事例

実際にホームページアクセスデータと予約データを組み合わせた分析を取り入れて経営改善に活かしていただいた弊社のお客様の事例をご紹介します。

Ladies Clinic LOG原宿様の導入事例記事より

■ 見つかった課題

● アクセス数はあるのに予約につながっていない
● 広告経由からの予約は当日キャンセルが多い
     ↓
■ 改善の結果
● ホームページに載せる情報の質を変更することで、ページ滞在時間が伸び、予約数も比例して増加
● 診療圏が2km以内から5kmまで拡大

特定の診療内容に絞って患者年齢層を把握
特定の診療内容に絞って患者年齢層を把握
HP改善前後の来院エリアの比較
エリア別統計の変化

繰り返しになりますが、ホームページからの予約導線は、患者さんが実際に来院する前の行動に関わるものです。

そのため、患者さんがどのように情報を探し、どのような気持ちで予約に至るのかは、クリニック側からは見えづらく、改善も手探りになりがちです。これこそがWEBマーケティングの難しさのひとつです。

しかし、ホームページや予約サイトの導線や表現などを少しずつ見直し、改善を積み重ねていくことで、着実に効果を高め、成果へとつなげることが可能であることは、ご紹介した事例からもお分かりいただけたかと存じます。

5.WEBマーケティングとAIを融合した経営分析ツール『AI-Board』

これまでご紹介してきた、予約コンバージョン率や実際の予約完了数など、予約導線全般の分析を行うには、Googleアナリティクスのデータと予約システムのデータを掛け合わせる必要があります。

ただし、Googleアナリティクスは非常に詳細なWEBアクセスの分析ができる反面、操作や設定が複雑で、専門的な知識がないと扱いづらいという課題があります。

そこで弊社は、これらのデータをもっと直感的に、かつ実践的に活用できる経営分析ツール『AI-Board(アイボード)』をリリースしました。

『AI-Board』は、メディカル革命 by GMOのオプション機能としてご利用いただけるもので、Googleアナリティクスと予約システムのデータを連携し、WEBからの流入数や予約コンバージョンの状況を一目で把握できるダッシュボードや、各種指標の推移を視覚的に確認できるグラフ群を自動で生成します。

さらにAIがこれらのデータを多角的に分析し、「どこに課題があるのか」だけでなく、「次にどのような改善を行うべきか」という具体的なアクションまでをご提案。

数字から読み取れる確かな「気づき」と「次の一手」をご提供できるのが、このツールの最大の特長で、これまで弊社が蓄積してきた集患やWEBマーケティングの知見、予約データの分析ノウハウを学習したAIが、現場の状況に寄り添いながら、経営の意思決定を支援いたします。

また、予約データは未来の予定までを扱えるという点も大きな強みです。たとえば、「当月後半、または翌月の予約の埋まり方が遅い」といった傾向が早期に把握できれば、予約枠数の見直しや患者様への積極的なご案内といったアクションを適切なタイミングで講じることが可能となり、結果として機会損失を最小限に抑えることができます。

こうした取り組みが、「感覚」や「経験」だけに頼らず、根拠あるデータをもとにしたクリニック経営への第一歩となると私たちは考えています。

6.クリニックの安定経営と将来のために継続的な改善アプローチを

いかがでしたでしょうか?

今回の統計データ活用の基本編・応用編を通じて、予約システムには多くの有益な情報が含まれており、そのデータを的確に活用することで、クリニック経営をより効果的に進められることをご理解いただけたかと存じます。

医療業界に限らず、ITの分野でも常識が数年で大きく変わる時代です。

このような変化の激しい環境においては、現状維持にとどまらず、日々の小さな気づきや改善を積み重ねていく姿勢こそが、持続可能な経営と将来への備えにつながります。

弊社は、クリニック経営者の皆さまが医療サービスの質を保ちながら、データを味方につけた経営判断ができるよう、今後も継続的なサポートを提供してまいります。

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目次

  1. 1.なぜ「予約完了までの導線」を可視化すべきか?
  2. 2.「予約コンバージョン率」はWEB施策の効果測定の基礎データ
  3. 3.可視化から実行へ ― データに基づく改善アプローチの具体例
  4. 4.WEBアクセスデータと予約データを活用した集患改善事例
  5. 5.WEBマーケティングとAIを融合した経営分析ツール『AI-Board』
  6. 6.クリニックの安定経営と将来のために継続的な改善アプローチを

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