―― 貴院はクリニック名が「糖尿病・甲状腺 上西内科」ということで、専門性の高いクリニックであることが一目で分かるクリニック名になっていますね。
当院は糖尿病、甲状腺がメインの診療科目になりますので、クリニック名については「糖尿病・甲状腺」をつけています。
分院である、かすがい内科は「咳と頭痛と生活習慣病」、上西のびしろクリニックは「子どもの成長・糖尿病」と表記していますし、自分たちは何を専門として診療しているかが分かりやすいクリニック名にしています。
当時やりたかったことが全て叶っていたのがメディカル革命でした
―― 2018年に開業されてから4年ほど、他社予約システムをご利用でしたが、そのころ抱えていた課題をお聞かせください。
開業して2、3年ほど経った頃、患者さんの数がかなり増えていました。
当院は慢性疾患を診る、定期受診が必要なクリニックということで予約が必須なのですが、その当時1日の患者さんが100人を超える状況になっており、予約数が増大していました。
そんな中、来院時のチェックイン業務が電子カルテと連動していなかったこともあり、かなり業務が煩雑になっていました。
また、予約受付や予約変更の電話応対が非常に多くなっていましたので、この状況を改善するため、予約システムの切替えを検討し始めました。
―― メディカル革命に興味を持たれたのは、どのようなきっかけでしたでしょうか。
当時いくつかの予約システムを検討する中でメディカル革命に興味を持ったのは、「LINEでの予約がスムーズに取れそう」という部分とカスタマイズ性、価格ですね。当時やりたかったことが全て叶っていたのがメディカル革命でした。
UIが良かった点も、興味を持った理由の一つです。
以前利用していた予約システムは、同一画面上で予約枠の確認がしづらかったんです。
1週間、1ヶ月間などの一覧表示ができなかったので、いちいち予約枠を探して、その空き枠を覚えて、また戻ってくる、みたいなことをやっていました。
枠が空いていればまだ良いのですが、予約がいっぱいでほぼ空いていないところで、複数の条件を満たす予約枠を何往復もして探すということが負担になっていたので、そこが同一画面上で確認できることが、メディカル革命を選定した決め手になりました。
予約調整作業で時間が取られるのが一番の課題ですので、そこが改善できることを一番重要視していました
―― メディカル革命を導入した当時、一番期待していたのはどのような事でしたか?
一番はスタッフの工数を減らすことですね。
予約受付や予約変更の作業量を減らすことが最も重要でした。
当院は、検査と診察が紐づいていることが多いです。その検査というのは血液検査や生理検査などですね。
検査や診察等の予約を取ろうとすると、やはりそれらが同時に取れるシステムでないと非常に手間と工数がかかります。
複雑な予約でもうまく入れていくことができて、スタッフの手間を減らせるシステムとしてメディカル革命を選んでいましたから、そこが一番期待していたところです。
医療機関としてスタッフが患者さんに向き合う時間を増やすためには、予約調整作業で時間が取られるのが一番の課題ですので、そこが改善できることを一番重要視していました。
―― ありがとうございます。既存の予約システムからの切替えはいかがでしたでしょうか?
そうですね。なかなか大変な作業で、準備を始めて最終ローンチに至るまで半年ぐらいかかりました。
2つのシステムを同時並行で運用する期間が5ヶ月ぐらいあったので、その時期は大変でしたね。
ですが、予約システムの切替えをせず、前の予約システムのままだった場合、来院受付がパンクして危機的な状況だったと思います。
予約システムの切替え時には、スタッフも苦労があったと思いますが、とても良く頑張ってくれました。
開業7年目になり、当院のスタッフ数は現在40人くらい、法人全体では70人くらいです。
内科としてはかなり多いほうだと思います。
ありがたいことに、開業した時のスタッフがほとんど残ってくれていまして、それは少しずつでも環境を整えて、色々なところを改善していった結果なのかなと思っています。
受付スタッフも、予約システムの切替えがひと段落した際は喜んでくれました。
―― スタッフのみなさんの残業時間に変化はありましたか?
クリニック運用改善の取り組みとして、残業を減らすことも目的の1つでしたので、システムとは別の方向性でも対策を立てました。
それによって残業抑制の意識が生まれて、予約システム切替えとの相乗効果もあって、残業を削減することができました。
―― 残業を減らす取組みというのは、具体的にどのようなことをされたのでしょうか。
残業になりそうという時に、そのタスクは今日どうしてもやらないといけないものなのか、どれぐらいの時間がかかりそうか、いったん手を止めて考えるような仕組みにしました。
何となくやった結果2時間残業した、ということにならないように、その時間の妥当性について各自で考えてもらうようにして、その結果スタッフの意識変化が起き、残業時間の削減に繋がりました。
そして業務効率化によって、徐々にスタッフの時間を患者さん対応の時間に振り分けられるようになりましたので、そこが患者満足度の向上につながり、結局集患に繋がっていると思っています。
いずれは患者さんへの対応を担うコンシェルジュを置きたいですね。
最大で260人くらいの患者さんが毎日来院されています。
これだけ多くの来院数になるので、予約システムによる業務効率化だけではなく、あらゆる部分で工数を減らす努力をしています。
―― メディカル革命導入後、オペレーション業務について変化はありましたか?
患者さん自身がQRコードを読み込むスマートチェックインができるようになったのですが、これでかなり工数が減ったと思います。
毎朝40人ほどの患者さんがいらっしゃいますが、メディカル革命のスマートチェックインはかなりのスピードで読み込みができるので、1分間ぐらいで40人ほどチェックインさせることができています。
以前はリライトカードを導入していたのですが、読み込みに時間がかかっており、スマートチェックインへの切替え効果は大きかったと思います。
切替えを検討し始めた頃の患者数が100人くらいで、今は既に200人を超えているので、予約システム切替えについて早めに手を打てたことや、切替え先をメディカル革命にしたことはとても良かった、正解だったと思います。
―― 毎日200人というのはすごい患者数ですね。
それくらいが受け入れ可能な最大数になるのでしょうか。
現在の来院患者数は平均で200人くらいですが、最大で260人くらいの患者さんが毎日来院されています。
これだけ多くの来院数になるので、予約システムによる業務効率化だけではなく、あらゆる部分で工数を減らす努力をしています。
例えば、開業時はクリニック向けの検査機器を導入していましたが、時間短縮のために高性能で処理能力の高い病院向けの検査機器に順次切替えています。
―― あらゆる方面から業務改善をされていて、それが現在の患者数を受け入れ可能にしているのですね。
予約状況など、メディカル革命の管理画面で日々確認されていると思いますが、管理画面の使用感はいかがでしょうか。
1日の予約状況が見やすく使い勝手は良いです。
例えば1日の患者さんの予約状況、新規患者さんが今日何人来られるか、これから何人くらい来院されるかなど、リアルタイムで状況を見ながら診療を組み立てています。
今日これから1時間、2時間で何が起きるかを想定して、患者さんを診ています。
―― 診察しながらそこまで考えていらっしゃるんですね。
これだけの来院数がある中で、新患も受け入れているのですか?
現在9割の方が再診患者さんにはなりますが、新患の方も1日平均10~15人くらい来院されています。
―― それだけの方が来院されると、予約制だったとしても、待ち時間が生じてしまうのではないでしょうか。工夫されていることはありますか?
待ち時間は日によってばらつきがありますが、患者さんのその日の診療内容や体調などによって診察時間が延びることもあるので、どうしても待ち時間が発生してしまいます。
糖尿病患者さんの場合は管理栄養士による栄養指導などがあるので、お待ちいただく時間の合間にスタッフが関わるタイミングを設けることで、待ち時間の緩和策になってると思います。
ただ、本質的な待ち時間は患者数増加とともに増えてきているので、対策はまだまだ引き続きしていこうと思っています。
どのクリニックでもそうだと思いますが、待ち時間への対策と診療時間をどうやって長く確保するか。この矛盾するところを両立させないといけないですよね。
診察が短くなれば患者さんの満足度も減っていきますから、バランスを考えて対策しています。
―― 2020年4月から、呼吸器内科の専門医である中畑医師が貴院に参画されていますね。
メディカル革命による複数診療科の管理についてはいかがですか?
複数診療科目の予約を一つの予約システムで同時にとれる、同一画面上で確認できるのは、経営視点でみると大きなメリットだと思います。
―― 今後の展望をおきかせください。
当法人の方針として、開業したい先生方のニーズを汲み取るような形を取っています。
開業の準備を開始する場合、通常は自身で金融機関からお金を借りるというリスクを取り、コンサルタントによってある程度道筋を作って開業するという方法が一般的です。
一方で、勤務医の場合は病院のルールなどの縛りに基づいて働くことになります。
当法人で開業する先生方は、その中間の少ないリスクで、ある程度のルールの上で開業していただいています。
昨今、開業そのものが必ずしもうまくいく時代ではなくなってきているので、成功確率を高めつつ、リスクを減らしたいという医師が我々のところに集まって、我々の法人のもとで開業しています。
私たちからリクルートしているのではなく、そういうスキームがあると知って、我々のところを訪ねてくる医師が増えていますので、上記のような少ないリスクで開業できる医療施設を今後増やしていきたいと考えています。
施設を増やしてる点については講演で話すことがありますが、スキームについては今のところあまりオープンにしていないので、今後は出していく予定です。
―― 見学に来られる医師も多いそうですね。
多くの先生が見学に来られていますね。
講演会で認知されて見学に来られるケースが多いです。
診察を見てもらうことも重要なので、診療が終わる30分前や1時間前に来ていただいて、診察を見学していただいた上でお話するようにしています。
法人のコンセプトや継続的な運用改善など、多くの医師にとって参考になる情報だと感じました。
本日はご多用のところ、貴重なお時間いただきありがとうございました。
▼ 糖尿病・甲状腺 上西内科 WEBサイト
https://uenishi-naika.com/