―― 先生が医師を目指されたのはいつ頃なんでしょうか?
高校二年生ぐらいだったと思います。
いわゆる町のお医者さん的な仕事をしたいなと漠然と思っていました。
そういう意味では今やってることそのままなのかなと思ってます。
―― 開業の経緯をお聞かせください
大学病院で総合診療部に入局して、僕は一期生なんですが、子供からお年寄りまで多様な症状について総合的視点で診療を行ってきました。
大学病院では学生の教育に力を入れていましたが、臨床から離れていることに物足りなさを感じていました。
そんな中で2011年の東日本大震災の時に色々思うところがあり、民間の病院に移り、さらに「もっと患者さんの近くで、地域に根差した医療を提供したい」という想いが強くなり、自分で開業して理想の医療を実現しようと決意しました。
また、研修医の頃から訪問医療に通っていたこともあり、在宅医療も行う診療所を作りたいと考えました。
在宅医療は24時間体制なので、オンオフを切り替えられ、リフレッシュできるような場所で開業したいと考え、海が見えるこの場所を選びました。

―― 本当に海辺のきれいなところですね。
また、クリニックのサイトはデザインも発信もユニークで印象的です
ホームページは全て自分で作っています。
以前は業者に依頼していたのですが、更新に時間がかかってしまうので、WordPressで自作することにしました。
最近はSNSを活用して情報発信していますが、ここ何ヶ月かは診療が忙しすぎてちょっとサボり気味です。
導入の決め手はLINE。予約平準化にも貢献
―― 先生が初めてメディカル革命をお知りになったのはいつですか?
メディカル革命を導入する前は、開業時から初診と再診で別のシステムを併用していました。
開業当時は予約システムの導入自体が珍しく、患者さんにも好評でしたが、メールアドレスの登録が面倒という声が徐々に増えてきていました。
クリニック側も複数のシステムを使うのは管理が大変でしたので、もっと使いやすいシステムはないかと探していた時に、メディカル革命のバナー広告を目にしました。
当時2020年ごろだったと思いますが、GMOという会社は以前から知っており、更にLINEが使えるということで目を引きました。
LINEは今やインフラの一部になっていますし、高齢者でも使いこなせるようになってきていますから、そのLINEのインターフェースを使って予約できるということで導入を検討することにしました。
実際導入してみると、患者さんの反応はとても良かったですよ。
システムを入れた当初は反響がすごかったです。
最初に患者登録したら、次からはログイン操作が不要な点など、とても喜ばれました。
他にもLINEの活用という点では、LINE公式アカウントに一斉配信ができるので、「明日休診です」とか「この日は混雑する見込み」などと流しています。
そうすると、それを見た患者さんが「じゃあ他の日に」と予約を変更してくれたり。
予約変更もLINEから行えますしね。
操作についても、患者さんが対話式で登録情報を入力していけるのが良いですね。
電話応対を50%以上削減しスタッフの負担も軽減
―― システム導入時、メディカル革命に対してどのような期待感がありましたか?
システムを切り替えるにあたっては、予約の一元化というのもあったのですが、とにかく電話を減らしたいという希望や期待感がありました。
メディカル革命導入前は、予約に関する電話応対に追われていました。
LINEの予約に切り替えた後は、患者さんが自分でスマートフォンを操作して予約の確認や変更をしてくれるようになったので、そういう意味では期待通りでしたし、スタッフは空いた時間で他の仕事ができるようになりました。
予約関連の電話応対はシステム切り替え前と比べて50%以下にはなっていると思います。
特に再診の患者さんはLINEで手軽に再診予約してくれて、変更も自分でしやすいっていうのも電話応対の削減に繋がっていますね。
―― スタッフの皆さんの反応はいかがでしたか?
今ではメディカル革命を使うことが当たり前になってしまい、元には戻れないねって話しています。
以前は予約に関する業務で手入力もありましたが、今では電子カルテまでスムーズに情報連携できていますし、スタッフの満足度は非常に高いと思います。
―― 予約が平準化してきたという実感はありますか?
そうですね。先ほどのLINE公式アカウントでの混雑具合のお知らせなども、平準化に貢献していると思います。
ただ時間帯予約なので、例えば30分区切りの場合、多くの患者さんは30分ちょうどに来院されるんですよね。
30分の枠の中で待ち人数に偏りがでるので、患者さんをお待たせするタイミングが必ず発生してしまいますし、待合室も混雑します。
時間区切りを15分刻みにするなど、色々と試行錯誤してみようかと思っています。
―― こういった、設定の改善をされているクリニック様も多くいらっしゃいます。
予約枠の改善がクリニック経営に良い形で影響しますので、是非カスタマーサクセスにご相談ください。
―― LINEの予約率が90%以上というのはかなり高い数値ですが、スタッフの方がWEB予約ではなくLINEの予約の方に促されるとか、予約の仕方をレクチャーされているとか、そういった工夫はされているのでしょうか?
予約に関する問い合わせがあると、開口一番スタッフがLINEの予約を勧めています。
ホームページからLINEの予約が取れるので、ちょっと検索してみてください、ホームページのバナーをタップしてください、という案内をしてます。
次回予約を受診後に取るか、ご自身の予定をみてから後日自分で取るか迷っている人には、LINEのQRコードをお渡しして、「30日分のお薬を出しておくので、30日以内にご都合の良い日時で予約を取ってくださいね」というやりとりが多いですね。
LINEでの予約が増えることで、多くの患者さんにLINE公式アカウントからのお知らせを届けられるという点も大きなメリットだと思います。
他には、在宅診療の患者さんのご家族とのやりとりにもLINEを活用しています。
―― ありがとうございます。スタッフの方がLINEの再診予約にうまく誘導してくださっていますね。
サポートチャットは適切な継続通院に繋がっています
―― 患者さんとのコミュニケーションツールとして、サポートチャット機能(※)をご利用いただいていますが、導入による変化はありましたか?
※サポートチャット機能:患者とチャット形式でやりとりが行える機能です。具体的には、患者と双方向、または医院から患者への送信かを選択できます。メッセージは3省2ガイドラインに対応したサーバ上に保管されるため、診療明細書等の一部医療情報を含むファイルの受け渡しも可能です
サポートチャットを導入することで電話が減りましたね。
比較的時間に余裕のあるタイミングで、落ち着いて文言を考えて返信できるので、丁寧なコミュニケーションが可能になり、とてもよかったと思います。
一方で、時間に余裕があったとしても遅い時間に返信をしてしまうと、患者さんに過度な期待感を持たせてしまうことになりかねないので、時間を決めて運用していくことが重要ですね。
外来時間帯や訪問診療に行ってる間は対応できないので、担当のスタッフがチェックしてくれます。
予約関連などの内容はスタッフが答えて、診療に関わる部分は私が返信します。
内容によっては「次回診察の時に話しましょう」と私の名前入りで送るんですね。
そうすると患者さんは安心してくださいます。
患者さんからの相談内容次第で、内容によっては早く来てもらいたいというケースも結構あります。
次の診察への促しがサポートチャットでできることが適切な継続通院に繋がり、患者さんにもクリニックにもメリットがありますね。
あとは、心療内科での利用が多いため、チャットの質問で安心感を得たいという患者心理に応えられている面はあると思います。

―― 予約数を拝見すると、メディカル革命導入後順調に増えていることが確認できるんですが、予約が増加している実感はございますか?
やはり心療内科の予約が増えてる実感があります。
遠方の方からの予約が特に増えています。
患者さん自身は近くに住んでいて、遠方にお住いのご家族が代わりに予約を取ってくださるとか、初診はそういうケースが増えています。
更に、WEB問診(他社外部連携)も導入しているので、そこに詳しく入力してもらえる点も、初めての受診に対して心理的なハードルが下がると思いますし、私たちも初診の情報を事前に取得できて電子カルテに情報が入るので、スムーズに初診患者を受け入れられています。
コロナの影響で一時外来の患者さんの数が減ったと時々聞きますが、うちは全く影響を受けず、患者数が増え続けています。

地域医療への想い、そして今後の展望
―― クリニックの今後の展望を聞かせください
患者さんの数が増えてくると、分院展開・サテライト診療所など、横に広がっていくケースが多いと思いますが、私としては医療の質を高めて深掘りしていきたい、より濃密な診療を行いたいと思ってます。
患者数がどんどん増えていく中で医療の質を高めるのは容易ではありませんが、システムによる効率化はもちろん、隙間時間を埋めていくとか、診療スタイルでの工夫もしています。
例えば、患者さんにはあらかじめ診察室に入ってもらって、私の方が2つある診察室を交互に移動して効率を上げています。
午後は在宅診療で車移動していますが、カルテも車内で入力しています。
事務クラークが運転して僕が助手席、後部座席に看護師が座ります。
患者さんについての指示を出しながら移動して、診療後は車内で処方箋も全部流し終えてるんですね。
在宅診療は24時間体制で長期的継続的な診療を行うものなのですが、スタッフはよく理解してくれています。
スタッフは勤務外時間は携帯を持っておらず一切関知しない方針なのですが、僕の体を気遣って事前に準備をしてくれるんです。
例えば、年末にさしかかる頃に少し状態の不安定な患者さんがいる場合、「点滴指示が出るかもしれないから、院長が物品を用意しやすいように点滴セットを作っておこう」というようにスタッフが自発的に動いてくれるようになりました。
その辺が任せられるようになって、自発性というのが育ってきた気がします。
スタッフ育成も効率化につながる重要なポイントですので、スタッフにはとても感謝しています。
今後もクリニック運用の業務効率を高め、質の高い医療を推進していきたいと思います。
―― ありがとうございます。インタビューを通して、常に患者さんに寄り添う医療を追及されていること、そのためにメディカル革命を効果的に活用されていることが分かりました。
本日はご多用の中、お時間をいただき本当にありがとうございました。
▼ 波乗りクリニック WEBサイト
https://naminori.clinic/