こんにちは。GMO医療予約技術研究所です。
前回に引き続き、「集患」についてお話します。
弊社は医療機関にとって集患、予約導線、接遇、アフターケアまでの一連の流れは強固な患者基盤を築く上でどれも等しく大事なことであると考えます。
そして、中でも「集患」についてはインターネットでの対策が必要不可欠になってきていることはすでにお伝えしてきたとおりです。
ところがインターネットでの集患対策が必要という認識をお持ちでも、クリニック経営者でありながら医療が専門の医師にとっては専門外の話ですし、毎日多くの患者さんの診療をして忙しく過ごす中では、不要不急なことですから、「とくに対策をしていない」または「何をすべきか分からない」というクリニックがまだまだ多いようです。
そこで、今回は、クリニックの集患に非常に有効な手段であるMEO対策について、初めての方にもお役立ていただける具体的な方法を解説したいと思います。
1.MEO対策とは?
MEOとは「Map Engine Optimization」の略で、直訳すると「地図エンジン最適化」という言葉になりますが、クリニックの経営者の方向けには、
「MEO対策とは、患者さんがGoogle マップで医療機関を探すときに、クリニックの情報を上位に表示させることを目的としたWEBマーケティング施策」
という説明が分かりやすいでしょう。
MEO対策は地図アプリ検索に対する対応ですから、患者さんが検索しているときの物理的な位置、クリニックの地図上の位置(つまり住所)や地名などの情報も掛け合わせた、より地域密着型の施策と言えます。
「患者さんがインターネット検索したときにクリニックのホームページの情報を上位に表示させる」ことを目的とするSEO対策との違いもお分かりいただけるかと思います。

Google マップ検索結果例
2.集患にMEO対策が有効である理由
MEO対策はクリニックの集患には有効です。
なぜなら、クリニックを探すのは何らかの症状や気になる点があり、医師の診断を求める患者さんであり、初めから受診、通院の目的があることが多いからです。
物理的に受診可能な距離に住んでいる、または職場が近い患者さんがクリニックを検索したときに、数ある検索結果の上位に情報が表示されれば、そのクリニックが選ばれやすくなることは明らかです。
MEO対策は、近い距離にいる患者さんに直接、クリニックの存在をアピールすることができますので、利用しない手はありません。

患者さんがクリニックを検索するときのキーワードは?
3.おさえておくべきGoogle マップ検索の特徴
SEO対策については「お金もかけて対策をしているにもかかわらず、一筋縄ではいかない」と感じていらっしゃるクリニック様も多いかもしれませんが、こちらのMEO対策は難しくはありません。
対策をしている/していないでは大きな差が出るので、ぜひ今すぐ始めていただきたいと思います。
まずはGoogle マップ検索の特徴をおさえておきましょう。
Google マップ検索では、ユーザーの位置情報、地図情報、ユーザーが知りたい情報と関連が高い情報を加味して検索結果を返します。
次に、検索結果に影響のある「ユーザーが知りたい情報」ですが、これは主にGoogle ビジネスプロフィールの情報から検索されます。ホームページの情報も間接的には関係してきますが、Google マップ検索においては、どちらかというと「遠い親戚」のような存在です。
Google マップ検索では、直接効果があるのはGoogle ビジネスプロフィールの中身とされていますので、この中身をいかに充実させるかがポイントとなるとお考えください。

4.クチコミ対策だけではない、Google ビジネスプロフィール情報の役割
「Google ビジネスプロフィールならいつも確認してますよ」というクリニック様も多いかと思います。Google ビジネスプロフィールはクリニックのクチコミ評価が公開されますので、心ないクチコミに悩まされた経験をお持ちの場合もあるかもしれません。
ここで、先ほどお伝えしたGoogle ビジネスプロフィールの役割について、客観的に考えてみたいと思います。
Google ビジネスプロフィールの情報はGoogle マップ検索の対象となります。クチコミはGoogle ビジネスプロフィール情報の一部に過ぎません。
もちろん、評価が良く、良いクチコミがたくさん書き込まれているほど、そのクリニックのプロフィール情報がリッチになっていくわけですが、それより重要なのは、
● Google ビジネスプロフィールが患者さんが知りたい情報をいかにカバーしているか
● その情報は信頼性が高いか(患者さんが検索している情報との関連が高いか)
です。
患者さんが検索している情報との関連が高いかどうかはどのように判断されているかというと、その検索結果がよりクリックされているかどうかなども関係するようです。
つまりは、ユーザーの次の行動に結びついている情報がある、またはユーザーの次の行動を誘発したことを示す履歴が多いと、検索の関連性が高いと評価されるということのようです。
たしかにクチコミ評価が高ければ選ばれる確率も高まりますが、患者さんがクリニックを探す目的や状況は様々です。
緊急な症状でとにかく早く診てもらいたい場合には、患者さんは症状名と地域名などで検索することが考えられますので、クチコミ以外の部分でプロフィール情報をしっかり埋めておけば、患者さんのニーズに応えるクリニックとして検索結果の上位に表示されるチャンスは十分にあるというわけです。

5.Google ビジネスプロフィールの何をどう埋めれば良いのか?
では、Google ビジネスプロフィールにどのような情報を掲載すれば良いのでしょうか?
クリニックの集患対策としては、次の3点はぜひ盛りに盛っていただきたいです。
① カテゴリ情報
② サービス情報
③ 写真
1つ目のカテゴリ情報は、Googleビジネスプロフィールの既存のカテゴリから選択できるようになっています。最初に設定したときのままあまり見直す機会がないかと思いますが、ここも実は検索対象となっているはずなので、活用していきましょう。
カテゴリは追加で登録をすることができますので、もし、貴院の専門分野や診療科が複数あり、その専門の情報がカテゴリとして登録されていないようでしたら、追加してみてください。
2つ目のサービス情報は、クリニックが最も充実させるべき項目です。
サービス名とその説明を丁寧に入力してください。
このとき大事なのが、患者さんが検索でいかにその情報に辿り着きやすいようにしてあげられるかを考えることです。
ときどき、サービス情報に疾患名だけを並べているクリニックを見かけますが、できれば、もう少し患者さん目線で情報を平易な文章で埋めてあげると良いのです。
たとえば、患者さんが日曜日に診療をしているクリニックを探すとします。できるだけ早く目的のクリニックが見つかるように、次のように症状を含めたキーワードで検索するのではないかと思います。
「腹痛 日曜日も診療」
このとき、Googleビジネスプロフィールのサービス情報に
「〇〇クリニックは夜間や日曜日も診療する消化器の専門医がいるクリニックです。」
という情報があると、Googleが検索に関連性があるとみなしますし、この情報が日曜日に利用されればされるほど(検索結果からクリックされている履歴が多ければ多いほど)、関連性は高まっていく、ということになります。
もう1つ例を挙げます。
患者さんが舌がヒリヒリ痛むのでクリニックで薬をもらうために次のキーワードでGoogle マップ検索をしたとします。
「舌 痛い 〇〇(地域名)」
これは実際にいくつか地名を変えて検索してみて分かったのですが、検索結果にはほぼ歯科クリニックしか出てきませんでした。本来は、舌の痛みは口腔内の疾患なので検索結果に耳鼻咽喉科も出てきて良いはずなのに、です。
そして、唯一、結果一覧に表示された耳鼻咽喉科を標榜するクリニックは、Google ビジネスプロフィールのサービス情報をしっかり埋めていました。
舌が痛い場合にどの診療科にかかれば良いのか把握している人はあまりいないのではないでしょうか。
もちろん歯科で診てもらえることが分かればそれで良いのですが、この例では、数多くある耳鼻咽喉科の中で、サービス情報の記載を充実させているクリニックのみが検索結果に表示されたことから、患者さんの検索方法や検索ワードを想像し、サービス情報の記載方法を工夫することも表示順位を上げるためには意味があることを示していると思います。
3つ目は、写真の掲載です。
写真も初回の登録時から一度も変えていない、増やしていないという場合は、ぜひ追加してください。医師の写真、院内の様子が分かる写真は患者さんの受診意思の決定に影響しますし、興味を持ってクリックし、ホームページに移動するなど、次の行動を誘発します。
繰り返しになりますが、次の行動に直結する情報と、その行動履歴が多いと、Googleはそのクリニックのプロフィール情報をより関連性の高い情報とみなしますので、初めて受診する患者さんを安心させる写真はたくさん載せると良いでしょう。
以上となりますが、クリニックにとっては、ホームページに掲載している情報を少しアレンジするだけでこれらの情報を簡単に埋めることができると思いますので、ぜひ早速取り組んでみてはいかがでしょうか?
6.MEO対策の秘訣はGoogle ビジネスプロフィールを社交上手にさせること
ここまでお伝えしてきた内容から、Google ビジネスプロフィールの情報が検索結果に与える影響やMEO対策になることについてご理解いただけたかと思います。
直接インターネットの検索結果をコントロールできるわけではないため、効果をすぐに感じにくいところはありますが、対策をしていないクリニックが多い中で、MEO対策を行うのは相対的には十分に有意義なはずです。
そして、選ばれるクリニックになるために、あらためて患者目線で客観的に考えることは、予約導線をもっと良くしたい、WEB予約画面の表示内容をもっと分かりやすくしよう、という改善意識が芽生えますし、接遇を良くしてより患者さんに信頼されるようなクリニックにしたい、という意欲が湧いてきますので、クリニックにとってもプラスになることでしょう。
ぜひ、職員の皆様と一緒に楽しんで考えてみていただければ幸いです。
最後になりますが、Google マップ検索で優位に立つには、Google ビジネスプロフィールの「総合力」を積極的に高めることがポイントです。
基本情報を登録し、あとは放置されたままのクリニック情報と、活発にユーザーの行き来があり、新しいクチコミが追加され、年末年始のお休みなどの最新情報が常に更新されているクリニック情報とでは、どちらがより評価されるでしょうか?
そして、評価が高まれば高まるほど、さらにユーザーのアクティビティ(交通量)が増えていきます。
Google ビジネスプロフィールは寝かせたままにするのはもったいないのです。
クリニックの代わりに患者さんの問い合わせの対応ができるように、Googleビジネスプロフィールを活発な社交上手に育てることが、MEO対策の秘訣です。
ぜひ参考にしていただき、集患にお役立ていただきたいと思います。