―― 2022年に、上西内科(愛知県小牧市)の分院として開業されましたが、本院の上西先生とは高校の同級生なんですね。開業の経緯を教えてください。
はい、そうなんです。
10年以上にわたりNICU等で小児の診療を行っていく中で、患者さんは中学、高校と成長し、小児科から内科への移行期に入るようになります。
そのような状況でも、患者さんを地続きで診ていきたいという思いがありました。
そんな中、高校の同級生である上西先生のクリニックを見学する機会をいただきました。
上西先生とはざっくばらんに様々な話をし、自分の診療への思いを伝えたところ、内分泌専門医院である上西内科を本院とした分院という位置づけで、小児内分泌を専門とするクリニックを開業することになりました。
―― 「子供の成長・糖尿病」と医院名に含まれているため、クリニックの専門性が一目で分かり特徴的ですね。クリニックのコンセプトを教えていただけますか?
当院は小児内分泌を専門にしたクリニックです。
乳児期から高校生くらいまでのお子さんの、身長や体調、体格のバランス(痩せや肥満)などについての診療を中心に行っています。
患者さんの顕在化したニーズに応えるというよりは、潜在的なニーズを掘り起こすことが必要な診療科です。
というのも、「内分泌疾患の方はお越しください」と言っても、そのような伝え方では自分のことだと気づく方は少ないです。どのような患者さんに来ていただくか、それを伝えるためにクリニック名に「子どもの成長・糖尿病」と明記しています。
このような戦略をもって経営改善を続け、PDCAを回し、今に至ります。
本院の上西先生などとは、月に1回は集まって診療や経営について話しています。
―― 小児の診察をして、患者さんが成長されたら本院の方に移っていただくという連携をしているんですね。
そうですね。
ずっと診ていた患者さんが大きくなり成人領域になった際に、シームレスな医療を提供できるように本院と密に連絡を取りあい、ワンチームとして内分泌疾患の診療を行っています。
小児の慢性疾患の場合は、家族の方とも密に連絡を取る必要がありますし、小児科から内科への移行期には、特有な問題が起こることがあります。そのような状況下で小児科と内科が密に連絡を取り合える関係であることが、移行期支援に非常に役立ちますね。
業務効率化を進められるように設計された予約システムであることが実感できて、導入メリットは大きいと思いました
―― メディカル革命を導入していただいたのは開業のタイミングでしたが、導入はスムーズにいきましたか?
開業前に勤務していた総合病院では電子カルテと予約システムは一体型だったので、別々のシステムを使用することに最初は戸惑いました。しかし、メディカル革命に慣れてしまうと電子カルテ付属の予約機能だけではなく、業務効率化を進められるように設計された予約システムであることが実感できて、導入メリットは大きいと思いました。
専門外来では予約状況を遡ることや、先の予約を見ることが多く、そのような操作が簡単にできるので大変ありがたいです。
総合病院では数カ月より前の予約が見られなくなっていたので、紙で残していました。メディカル革命は過去の予約を遡れますし、予約参照がしやすいUIなのでとても便利ですね。
また、一般外来では前日や当日に予約が入るので、自宅等で翌日や週明けの予約状況を事前に確認したり、急な休診の場合は院外から休診のための操作ができるのは大変便利ですね。
―― 一般外来でいつも診てもらっている先生に、発達のことも相談できるのは良いですね。
風邪の診察の際に相談を受けて、別の日に改めて予約を取ってもらったり、その日の診療に余裕があれば身長体重を計ることもあります。
乳幼児のお子さんを持つ親御さんは、「うちの子はちゃんと身長が伸びてるのか」「ムラ食いなのではないか」「食べられていないのでは」など、常に心配されていますし、そういった領域の専門医である点は喜んでいただいているのかなと思います。
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メディカル革命は診療圏の確認もできるので、そういった戦略にも活用できますね
―― 予約管理は上手く運用できていますか?
当院は小児科ということで、親御さんの世代的にスマートフォンやLINEでコミュニケーションをとることに慣れている方が多いです。
WEBサイトもターゲットに合わせた構成にしており、本院の上西内科とはコンセプトが異なります。
直接来院される場合もありますが、WEB予約の案内もしていますし、WEBサイト等によって専門クリニックであるという認知がされているためか、親御さんはみなさんWEB予約を取ってから来院してくださっています。
―― 専門性の高いクリニックということで、一般の小児科と比べてかなり診療圏が広いという印象だったんですが、診療圏についてはどのようにお考えですか?
例えば低身長症の患者さんは総合病院に紹介されることが多いのですが、専門医がいない総合病院もあります。
小児科領域の内分泌代謝専門医は数が少ないので、整形外科医や自費診療で診ているクリニックもあります。
そのため、比較的遠方から内分泌専門である当院を見つけて来院される患者さんもいらっしゃいます。
また、低身長症の罹患率は高くなく2.3%ほどなので、広範囲で認知してもらう必要がありますね。
開業地は電車でも車でも来院しやすい立地にして、名古屋などを含め半径20キロ前後の範囲からの来院を想定しています。メディカル革命は診療圏の確認もできるので、このような診療圏戦略にも活用できますね。
▲ エリア統計イメージ図(実際のデータではありません)
―― 電車の場合はJR名古屋駅から乗り換えなしで20分弱、車の場合は隣接する立体駐車場があり、クリニックまでフルフラット。患者さんにとって、とても通いやすい立地ですね。
メディカル革命は3ヵ月先、4ヵ月先の予約状況も確認しやすく、予約を取りやすいので助かっています
―― 予約数を拝見しましたが、予約数は右肩上がりに増加していていますね。
再診の患者さんが定着しているという感覚はありますか?
そうですね。
内分泌疾患を診ているという特性上、再診が多くなる傾向があります。
お子さんの成長というのは、点ではなく線で見ないと分からないことがたくさんあるので、年3~4回の頻度で通っていただくことが多いですね。
そうすると、次回予約を院内で取ることが多くなり、継続通院の流れができますね。
メディカル革命は3ヵ月先、4ヵ月先の予約状況も確認しやすく、予約を取りやすいので助かっています。
―― 家族予約機能(※オプション機能)を利用されていますが、うまく運用されていますか?
小児科ではよくある事なんですが、上の子も診てほしい、下の子も診てほしいという状況になることも多いです。そのような場合でも、みなさん家族予約で兄弟分の予約をとって来てくださっています。スムーズに予約管理ができるので、家族予約は本当に便利に使っています。
―― クリニックの今後の展望をお聞かせください。
成長や発育に特化して診療していくというところを、更にもう一段階深めていきたいと考えています。
飲めない、食べられないなどの乳幼児期養育のつまずきについて、親御さんが抱える悩みを取り除けるクリニックにしていきたいです。
お子さんにどのようなアプローチで介入すると食べられるようになって親御さんが楽になれるのか。
例えば摂食や嚥下には歯科や耳鼻咽喉科、言語聴覚士など、各専門分野の先生たちと連携して、総合的に評価できるようなチーム体制を構築したいと考えています。
当院だけで診られることは限られているので、様々な分野の先生たちと連携をして、総合的に親御さんの助けになるような診療を提供し、一緒に子育てをしていきたいですね。
当院に来て「楽になった」と言ってもらえたら嬉しいです。
このような活動は、本来行政がやることでもあるんですよね。
行政機関には医療従事者がいないため、行政もよく分かってないところがあると感じています。行政機関と連携した小さな取り組みをやってみて、それが成果を出して少しずつでも広がっていけばいいなと思っています。
圓若先生、本日はご多用のことろ、貴重なお話をいただき、本当にありがとうございました。
▼ 子どもの成長・糖尿病 上西のびしろクリニック WEBサイト
https://uenishi-nobishiro.com/