発熱外来の電話対応にスタッフが限界を感じたタイミングでネット予約導入を決めました。あくまでもシンプルに、持続可能な運用を目指しています。
—— プライムホスピタル玉島様は地域の中核病院として、約50年に渡り高度な医療を提供されています。患者さんへの情報発信にインターネットやSNSを積極的に活用されているようですが、今回ネット予約ができる予約システムを導入された背景と病院としての取り組みについてお聞かせいただけますか?
2020年からの新型コロナウイルス流行を背景に、インターネット技術開発が飛躍的に進みました。とくにオンライン予約・診療に関するプラットフォームの進化は目覚ましいものがあると感じています。この頃から当院でもネット予約の必要性を感じていましたが、2022年の夏に電話での発熱患者対応が急激に増え、限界値を超えてしまいました。良いタイミングと考え、ネット予約システムの導入を検討し始めました。
—— 弊社メディカル革命にお問い合わせをいただき、お選びいただいた主な理由やきっかけを教えてください。
予約受付プラットフォームにLINEとWEBの両方が用意されているシステムを選択したいと思っていました。また、患者さんが操作するネット予約の画面上に当院が希望している内容、とくに抗原検査結果の写真を撮ってアップロードできる仕組みなどを取り入れることができるシステムを探していました。
—— ネット予約導入の目的と期待されている効果を教えてください。
24時間予約受付による事務作業の負担軽減や、患者さんのSNSとリンクさせた予約受付システムによる患者さん側の効率化・予約の簡便化を期待しています。
また、診療案内を中心とした病院案内等の情報発信をしていきたいです。
—— プライムホスピタル玉島様ではネット予約受付を開始する診療内容を限定されていますね。その理由とネット受付可能と判断された基準についてお伺いできますか?
まず、発熱外来と区分けが困難な診療科である内科と耳鼻科は除外しました。また、通常の外来枠で受付が飽和状態の診療科も除外しています。
その上で、発熱外来・インフルエンザワクチン・乳がん検診・整形外科・形成外科・脳神経外科・泌尿器科・眼科・スポーツリハビリテーションをネットで予約できるようにしました。
もともと初診は予約枠を用意していなかったのですが、ネット予約の導入によって初診の患者さんも事前予約が可能になり、利便性向上につながったと思います。
再診については、忙しい患者さんは診察当日に次回予約を取ることができず、後日電話をいただいていましたので、ネット予約導入で事務の負担が軽減すると考えました。
ネット予約の枠数を絞っていること、事務の負担軽減を優先していることに医師側は納得していますし、とくに不満はありません。
あくまでシンプルに、持続可能な範囲での活用を心がけています。
—— ネット予約の方の診療へのご案内等はスムーズに行われているのでしょうか?
案内は比較的スムーズだと思います。
初診でのネット予約のメリットは、病院側で事前に患者さんのIDが作成できることです。
また、ネット予約の患者さんは当日飛び込みでいらっしゃる初診の患者さんより診察までの待ち時間が短縮されていますので、良い傾向ですね。
—— ネット予約が開始したあとに出てきた課題などはありますか?
電子カルテ上の予約枠とネットに開放する予約枠を定期的にマッチングさせる努力が必要です。ネット予約が入ったら電子カルテ上の枠を埋めておくという作業です。ただし、あらかじめこの作業を想定してネットの予約枠数を絞ることで最小限で済むようにしています。
予約をとるだけのシステムにおさまらず、当院イメージを盛り込むことで診療に行きたくなるような流れができれば最高だと思います。
—— 発熱外来についてはセルフチェックできるコロナウイルス抗原検査結果の写真を撮ってアップロードしていただく運用に。こちらはメディカル革命の画像アップロード機能で実現いただいております。実際のご利用状況はいかがですか?
写真をアップロードしてくださった患者さんはまだ少ないですが、いまのところトラブルはありません。
以前はPCR検査が主流でしたが、最近は抗原検査キットが市販されるようになったため、写真アップロードでの結果提出が増えるものと見込んでいます。
—— 発熱外来の予約時に簡易問診をおとりいただいています。具体的にどのようにご活用されているのでしょうか?
発熱外来の患者さんの入力内容を事務スタッフが確認し、電子カルテにコピーして貼り付けてもらっています。
事前に問診回答が電子カルテにあると医師には便利ですので、飛び込みで発熱外来に来られた方もその場でネット予約で入力をしてもらう運用にしてもいいのかな、とも思いますが、高齢者や複数名で来院される方々には手書き問診が便利のようですので、今後も手書き(アナログ)問診も併用していきたいです。
—— プライムホスピタル玉島様では、予約サイトで受診の流れを丁寧に説明されており、駐車場の地図やオリジナルコンテンツの挿入など、様々な工夫をされているのが印象的でした。当社機能を積極的にご活用いただきありがとうございます。
メディカル革命はお客様にてカスタマイズできる部分が非常に多く、とくに予約システムを導入する目的や予約サイトをこう活用したいというご希望がはっきりしているお客様には大変良い評価をいただいております。西山院長先生のご意見をお聞かせいただけますか?
予約をとるだけのシステムにおさまらず、当院イメージを盛り込むことで診療に行きたくなるような流れができれば最高だと思います。
メディカル革命は、当院独自の動画・イラスト画像を盛り込みながら、予約画面としてはシンプルに使いやすい・・・というバランスに優れた予約フォーム画面だと思います。
せっかく導入したので、たくさんの患者さんにぜひ使ってもらいたいですね。
いろいろな画面構築のアイデアに、GMOの営業担当・サポートスタッフの方が気軽に相談に乗ってくださいました。これは特筆すべきメリットだと思います。
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担当より折り返しさせていただきます。
ネット予約を開始した1日目から予約が入り、患者さんの方がネット予約をすでに使いこなしていると実感。今後はLINEを通じて乳がん検診やインフルエンザワクチンのご案内を定期的に発信していきたいです。
—— ネット予約導入で効果を実感するポイントがありましたら教えてください。また、それは期待通りのことなのか、予想外のことだったかなどありましたら教えてください。
ネット予約を開始した1日目に、インフルエンザワクチン予約が入ったときにはびっくりしました。「こんなに当院のホームページを見てくれていたんだ・・・」と、はじめて気づきました。
また、先日は60代後半の方がLINEで予約を取ってこられました。
すでに何回も予約したことがあるかのように、患者さん側がネット予約を使いこなしていらっしゃいます。あらためて、もう患者さん側にはデジタルトランスフォーメーションが進んでいることを実感しました。
ネット予約に対しては患者さんからは概ね好評なのではないでしょうか。
すでに飲食関係では、ネット予約・ネット注文など当たり前、ですので・・・
—— メディカル革命と電子カルテはセキュリティ面、費用面など様々なことをご考慮いただき、手動連携でご対応いただいています。電子カルテの自動連携はせず、外来の一部をネット受付から始めるという貴院のスタイルはとても良い参考事例になるかと思います。
総合病院におけるネット予約導入の課題に対する現状の最適解ともいえるのではないでしょうか。西山院長先生はどのようにお考えでしょうか?
大病院における診療科の予約枠は、複数医師がその専門分野において外来枠を細分化していることが多いです(整形で言えば脊椎・リウマチ・手の外科・スポーツなど)。当院はその点、小規模病院であり、専門分野の細分化がありません。
また、大規模病院の場合は紹介状持参が原則ですが、当院は紹介状なしでも初診の患者さんをお受けしています。
この2点が初診の予約をダイレクトにネットから受付できる予約システムをすぐに導入できた理由と考えます。
患者さんが電話予約・ネット予約できるシステムを組んでいる病院は大規模病院でも散見されますが、診療科が限定的であったり、予約枠が数ヶ月先・・・というようなこともあるそうです。
患者さん側の使いやすさからいうと、メディカル革命は断然おススメですね。
—— メディカル革命を今後どのように活用していきたいですか?
オンライン診療が世の中の診療スタイルとなれば、メディカル革命にオンライン診療(※)を組み込んで活用していきたいです。
それから、オンラインでアップロードできる個人情報の範囲と要素についての情勢を見ながら、キャッシュレス決済システムやマイナカードオンライン連携などについては検討していきたいと思っています。
また、乳がん検診やインフルエンザワクチンの案内などは、LINEを通じて定期的に発信していきたいです。
※オンライン診療機能はオプション機能です
—— 西山院長先生がチーム医療をしていて幸せを感じるとき、お仕事をしていて幸せを感じるときとはどんなときでしょうか?
日の当たらない仕事も折り込みながら合意形成への努力を地道に進め、それが着実に花咲いた時、でしょうか。
—— 最後に貴院の今後の展望や夢、病院として患者さんへ伝えたいことなどを教えてください。
医療はトレンドがあり、多くの病院はそのトレンドに我先と飛びつく傾向があります。
当院はこういった流れに便乗せず、自前でできることを一つ一つ選択しながら、地道に努力を重ねてまいりました。その積み重ねに「強さ」や「信用」を感じてほしいです。
これからも地域医療のスーパーリアリストの立場で、できることを一つ一つ進めてまいりたいと思います。
西山院長先生、この度は貴重なお話をありがとうございました。
先生にはお打ち合わせの中でLINEの利用登録や画像アップロードをその場ですぐにお試しいただいたり、毎回率直なご意見・ご指導をいただきまして、大変勉強になり励みになりました。また、先生は明るいお人柄で、お話が脱線してギャグで楽しませていただくこともございました。
ご多忙の中ネット予約導入を非常にスピーディに実現されたのは、入念に練られたご計画を1つ1つ着実に進めてこられた背景があったからとお伺いでき、大変参考になりました。
今後もメディカル革命が貴院のご発展のお役に立てますと幸いです。ありがとうございました!
▼ プライムホスピタル玉島様 WEBサイト
https://www.primehospital.or.jp/