自分自身の子育ての経験から航海と育児が似てると考え「海や航海」をクリニックのコンセプトにしました
―― クリニック名に「マリン」が入っていたり、クリニックの内装が船や港のデザインになっていてとても素敵ですね。クリニックのコンセプトを教えていただけますか?
クリニック名を検討する際に、まず親しみをもって呼んでもらえるクリニック名にしようという所から考え始めました。
集患という観点では、ネット検索で見つけていただきやすいようクリニック名に「小児科クリニック」とつけることも検討しましたし、大学の先輩が動物の名前を入れたクリニック名で親しんでいただいていることもあって、動物系も考えましたが、開業地が港区だったことと、自分自身の子育ての経験から「航海と育児って似てるな」と考え、イメージを膨らませていって、「海や航海」をクリニックのコンセプトにしました。
他には、小児科ということもあり、響きが可愛いく、親子で覚えてもらいやすいものを考えました。
三文字の「マリン」というのが、呼びやすさという点で良いみたいですね。
―― 「マリン」という名前は呼びやすくて親しみを持てますね。ペンギンがキャラクターなんですね。
大きいペンギンのぬいぐるみが「マリン君」、小さいペンギンもいるのですが1周年記念として名前を募集しています。
名前を考えて応募してくれるお子さんが多いですよ。
―― 立地が「港区」ということですが、港区は15歳未満の人口が増加している数少ない地域とのことです。
※参考サイト:年少人口(15歳未満)増減率ランキング2023
https://project.nikkeibp.co.jp/atclppp/082200059/082400005/?P=5
出生率はそれほど多くないと思いますが、東京の中でも局所的に中学受験率がすごく高い地域なんです。
公立小学校もとても人気があるので、そこに通うために転入してくるファミリー層が多いようです。
開業立地については、医師のつながりの中でこちらのビルを所有している産婦人科の先生を紹介していただきました。
産婦人科と小児科というのが周産期のなかで自然とつながる科目ですので、小児科を誘致したいというご意向があったそうです。
そういうご縁があって、良い立地でチャンスをいただけたと思っています。
「この日だけ予約枠を変更したい」など、柔軟に設定調整できるところは使いやすいなと思います
―― メディカル革命をお知りになったきっかけはなんですか?
葛飾バンビこどもクリニック森先生からのご紹介です。
後輩たちが開業するときは、色々アドバイスをくださったり、面倒見の良い先生です。
先生からは時間帯によって予約枠のカスタマイズが柔軟にできる、すごく使いやすい、という話を聞いていました。
実際に使ってみると、その通りだなと思いました。
小児科ということで若い親御さんが予約することも多いため、オンラインで予約が取れることは必須だと思っていましたし、LINEの普及率を考えると、予約システムとLINEを連携できる便利さはすごく大きいですね。
―― メディカル革命を選んでいただいた決め手は何だったのでしょうか?
紹介していただいた森先生のクリニックが非常に成功している、先輩のクリニックでもメディカル革命を利用しているため何かあれば相談もしやすい、という点がまずあります。
また、予約枠が柔軟に調整できるところはとてもありがたいです。
特に「時間帯ごと」の予約枠調整については、他のシステムではなかなか出来ないことみたいですね。
例えば、「この日だけ予約枠を変更したい」など、柔軟に設定調整できるところは使いやすいなと思います。
そのほかの決め手としては、LINEで予約がとれることや小児ワクチン管理、WEB問診についてです。
小児科にとって、問診はとても大事なので、有償の問診機能をつけることを検討しましたが、作り込むとなるとすごく大変だなと思い、結局やらなかったんです。
結局、基本機能の簡易問診を使用することにして、今も不便なく使えていますね。
※待合スペースには大画面のタッチパネルディスプレイで、チームラボによる作品《こびとが住まう黒板》を設置。待ち時間も楽しく過ごせます。
風邪症状のないお子さんは別枠で予約してもらう方が広く患者さんのニーズに合うのではないかと思いました
―― 診療の工夫として、「クリーンタイム(非感染症専用時間帯)」を設定されていますね。
恐らく多くの小児科がワクチンと健診を別の予約枠で作ってると思います。
当院はそれにプラスして、ワクチンや健診以外の相談などでも、感染症状がなければクリーンタイムの枠に予約してほしい、と伝えています。
受診するほとんどの子が熱や咳の症状に該当するので、発熱や咳などの症状がある子の予約はフリーアクセスにして、そういう子たちと接したくない場合だけ別枠で予約してもらう方が広く患者さんのニーズに合うのではないかと思いました。
熱がある子は朝一で受診したいとか、保育園から発熱のため親御さんがお迎えに呼ばれて、その足で受診したいという状況があるので、いつでも受診可能にしています。
一方で、アレルギーの相談や赤ちゃんの体重相談など、隔離して欲しい場合は隔離の時間に来てもらうという運用にしています。
クリーンタイムの周知については、予約サイトの作り込みを(弊社担当と)一緒にやってもらいましたね。
情報を入れすぎても読まれないし、よくわからないから電話しよう、ということにならないようにオペレーションをしっかり検討しました。
お問い合わせはこちらから
(電話受付時間/平日9:00-17:30)
※オペレーターへ繋がります。
担当より折り返しさせていただきます。
最近はクリーンタイムが埋まるようになってきているため、患者さんが増えてきていると感じています
―― 貴院はGoogleマイビジネスの口コミがとても高評価ですね。
ありがとうございます。
転入が多い地域ということもあり、口コミでクリニックを探す親御さんが多いと思うのですが、口コミの効果もあって、新規の患者さんがコンスタントに来てくれています。
乳幼児は生後2か月でワクチンを打ち、3~4か月で健診というタイミングがあるのですが、そこで当院を選んでいただき、かかりつけ医としていただけるのかが安定して患者さんが増えていく上で重要ですね。最近はクリーンタイムが埋まるようになってきているため、患者さんが増えてきていると感じています。
また、インフルエンザ予防接種のシーズンでは、お子さんの場合は窓口での負担をゼロにして区からの予診票だけで接種しています。
このタイミングが転入してくる子どもたちとの接点になり、患者数の増加につながっていると思います。
―― 患者さんの待ち時間についてはいかがですか?
待ち時間は長くても20分くらいですね。
メディカル革命でうまく予約が分散できています。
土地柄なのか、本当にみなさん時間どおりに来院されるんですよ。
3時30分の予約だったら3時25分~30分にみなさん来られるんです。
―― 患者さんが時刻ぴったりに来院されるのは、待たされないという経験があるからかもしれませんね。
診療の開始時間が8時半ですが、働く親御さんのニーズを考えていらっしゃいますか?
そうですね。共働き世帯のニーズを考えて、少し早い時間帯から診療を始めています。
8時台の当日予約がとても多いですね。
小児科の特性上、朝のお子さんの体調不良で、当日の予約が殺到するんです。
朝の時間帯と夕方5時以降の需要が高いので、共働きの親御さんが多い地域であることが分かりますね。
―― 朝早い時間から診療していて、WEBで予約もとれるというクリニックは選ばれやすいかもしれませんね。
アレルギー疾患の方は、WEBで調べて来られる方もいるので、比較的遠方から相談に来られる方もいらっしゃいます。
―― 先生はご専門がアレルギー科ですね。
そうです。小児科は主訴のほとんどが風邪・胃腸炎なんですが、その次に多いのはアレルギーなんです。
小児科医にとって、アレルギーに関する知識はとても重要です。
親御さんは、赤ちゃんの湿疹が少し出ただけでもすごく気にされる方が多いです。
皮膚の些細なことにも相談に乗って、スキンケアの仕方をお伝えしたり、アレルギー症状があるお子さんの食事の面など、日常生活のなかで役に立つ情報がとても多いので、小児アレルギー専門医として患者さんに還元できる要素がとても大きいと感じています。
―― 食物アレルギーのお子さんは多いですか?
昔と比べると綺麗な環境になってる(衛生仮説)という理由や、よりアレルギーに関して広く認知されてきているということもあり、有病率も増えています。
例えば、小麦に対してアレルギー症状がある場合、子供一人だけ小麦を除外するのは難しく、家族全員で除外する必要が出てくるので、外食が気軽にできない状況になります。
それによって親御さんは、給食が食べられないからお弁当を作ったり、外食の機会が少なかったりで、ずっとご飯作りに追われるという状況に陥ります。
今はできるだけ早く介入して、こじらせずに食べられるようにしていくという治療法が主流です。
クリニックで食べられる量を判断し、お家でもその分量を食べてもらいます。
昔は大学病院に入院する必要があり大変だったのですが、外来で治療できるようになってきています。
アレルギー疾患の方は、WEBで調べて来られる方もいるので、比較的遠方から相談に来られる方もいらっしゃいます。WEB予約の効果でより広く患者さんを集められていると思います。
いずれはアレルギー専門外来を標榜していきたいと思っていますが、診察に時間がかかることもあって、風邪の患者さんと並列に見ていくのが難しく工夫が必要です。
アレルギーの相談は飛び込みで入ることはないので、いずれは2診制にして一般診療とは別で私がアレルギーの診察をするのがよいと思っています。
―― クリニックの今後の展望をお聞かせください
もともと、もし開業するチャンスがあったら、病児保育付きのクリニックにしたいと思っていました。
自分も親として、子供が熱を出した時に預かってくれる病児保育はすごく少なく争奪戦であると身を持って経験していましたし、多くの親御さんにとって切実なニーズだと思います。
病児保育をやるなら、現実的にはとても広いスペースが必要です。
胃腸炎の子、インフルエンザの子などそれぞれの部屋が必要だったり、トイレもそれなりに必要だったり。
スタッフの確保も大変です。
開業と同時スタートは無理だったのですが、親御さんが安心して子育てができるよう、いずれサポートをしていきたいと思っています。
そういう意味では、親御さんたちが安心して子育てができることであれば、病児保育に限らずやれることはないかと考えています。
今は月1回程度、保育士や産後ドゥーラなど幅広く子育て支援に携わっている方とベビークラブを開催しています。
赤ちゃんの発達についてや豆知識をお話ししたりして、親御さん同士の交流の場にもなっています。
もう少しゆとりができてきたら、このような交流の機会をもっと増やしていきたいと思ってます。
白井先生、この度はご多用中、お話をお聞かせいただきありがとうございました!
▼ 高輪マリンこどもクリニック様 WEBサイト
https://www.marine-kodomo.jp/
▼ 葛飾バンビこどもクリニック インタビュー記事
https://medical-reserve.co.jp/voice/katsushikabambi