グループ全施設での予約システム総入れ替えにおける必須の条件は複数拠点の予約の一元管理が可能なこと。唯一できたのがメディカル革命でした。
—— はじめにアレックス様についてお伺いします。
東京都世田谷区内を中心として関東、長野に合計8施設の整形外科クリニックを運営されており、日本トップクラスの整形外科診療を提供し続けている医療法人でいらっしゃいます。
大勢の職員の方が施設をまたいでシフト勤務をされていたり、定期的にオンラインでミーティングを開催して情報交換もされているようですね。
このような組織体制をとっている背景を教えていただけますか?
太田様:優秀な医師やメディカルスタッフが一施設に留まるのではなく、離れたエリアにも従事してより多くの患者さんに医療を提供することが当グループのコンセプトでもあります。医師がどの施設にいても患者さんのカルテや画像を確認でき、遠隔のスタッフとも情報交換できることを目指したところから、このような体制になっています。
—— 患者さんはMRI検査を他のクリニックより早く受けられたりするのでしょうか?
太田様:他のクリニックだと最低でも1~2週間はかかるところ、当グループであれば当日でも空きがあれば臨機応変に対応できます。
たとえば、MRIがない施設で診察を受けた患者さんが医師の指示でMRI検査が必要となったとき、その場で他施設のMRIの空き状況を確認し、今から行きましょう、ということが可能になります。患者さんは機会を逃さずに最短でMRI検査を受けることができますし、当グループとしても機会損失を最小限にして対応することができていると思います。
—— 今回、他社の予約システムからお切り替えいただきましたが、どのような経緯で予約システムの変更を検討されたのでしょうか?とくに重視されていたポイントなども教えてください。
平尾様:以前のシステムはオンプレミス型で各拠点に置かれたサーバーにアクセスするため、他施設の予約状況の確認に時間がかかるのが非常にストレスでした。これを改善したかったのと、今の時代に合わせてSNSを活用して患者さんとの接点を増やしていけるような拡張性があるシステムにしたかった、というのが新しいシステムを探し始めたきっかけです。
予約システム各社の情報を集め、説明会を聞きに行ったりもしたのですが、どこも結局、当グループの規模となると対応が難しかったようで、細かい打ち合わせに至らなかったところがほとんどでした。
その中で唯一、当グループが目指す複数拠点の予約情報の一元管理が可能というお返事をもらえたのがメディカル革命でした。
そもそも電子カルテはクラウド型(セコム医療システム株式会社のセコム・ユビキタス電子カルテ)で法人内で一元管理できているのに、予約はそれができないというのは運用としてちぐはぐなんです。メディカル革命はグループ内の予約情報の一元管理という絶対条件をクリアできそうで、且つ、LINEで予約もできる(※)と聞き、期待が膨らみました。
※LINE予約連携はオプション機能です。
—— 平尾様、太田様のグループ内でのご意見とりまとめなどのご苦労もあったのでしょうか?
太田様:クリニックごとに予約の運用にも細かいローカルルールがあったのを、ここで1つのルールに統一していかないとせっかくの新システムでの一元管理のメリットが生かせなくなってしまうということで、個別や全体でのすり合わせをし、最終的にお互いに歩み寄った感じで決着しましたね。
ただ、全施設で「今よりもっと使いやすく便利になるのであれば」という共通の想いがあったのがスムーズにいった要因だったのかなと思います。
予約情報の一元管理は患者さんが施設間で差のない、一定のクオリティの医療を受けられるという大きなメリットになると思います。
—— 予約や受付の運用についてお伺いします。
アレックス様で特徴的なのは複数拠点で共通の電子カルテを利用し、患者さんのカルテを一元管理されている点ですね。
メディカル革命では、1人の患者さんの予約情報を別の施設でも確認できたり、患者さん側でも施設をまたぐ診察、検査など複数の予約情報をマイページやリライト診察券でも確認できるようになりました。運用上の効果をどのようにお考えでしょうか?
平尾様:1人の患者さんの診療内容や、患者さんがどのような経過をたどってきたのかが確認できるのは医療上、非常に重要なんです。
それと同様に、患者さんがどのような予約をしてきたか、きちんと必要な予約ができているのか、という予約情報の一元管理も患者さんが医療を受けていく上でのメリットになると思います。情報が分断されないので、患者さんは同じことを説明しなくて済みますし、施設により医師の見解がバラバラということも少なくなると思います。
患者さんが直接知ることがない部分ではありますが、こういうシステム上の整備を行うことで、患者さんに施設間で差のない、一定のクオリティの医療を提供することができていると思っています。
—— リライト診察券に診察券番号のQRコードを印字していただいております。このQRコードを患者さんが自動精算機(GENOVA社)で読み取って会計をされているのですね。
平尾様:自動精算機を導入しているAR-Ex尾山台整形外科では現在、ご自身で会計してくださる患者さんが全体の9割近くになっています。もともとメディカル革命のタッチパネル再来受付機(※)での患者さんによるセルフチェックインのためにQRコードを印字してもらうことにしたのですが、自動精算機でもそれが役に立ち、受付の混雑緩和につながっているので良かったと思います。
※タッチパネル再来受付機はオプション機能です。
—— 主に予約業務に携わる受付事務の方、医療クラークの方・理学療法士(以下PT)の方からの評価をお聞かせいただけますか?
平尾様:先にも述べましたが、以前のシステムでは大変時間がかかっていた、他施設の診療の空き状況と検査の空き状況の確認がクラウド型のメディカル革命ではタイムラグがなくなった分、ストレスフリーになっていると思います。
また、PTが患者さんの次の予約をその場でとるといった単純な操作は直感的にできますし、早いです。この「早い」という点が、ユーザーにとってはかなり大きなところかなと思います。
—— ドクターは診察室で予約情報を閲覧したり、予約を操作することもあるのでしょうか?
平尾様:医師にはなるべく診療に専念してもらいたい、患者さんと向き合う時間を大事にしてほしい、ということでクラークシステムを導入しているので、何時にどの患者さんの診察があるのかを確認するぐらいです。クラークが当日の予約表を印刷して渡しているので操作まではしないですね。
ただ、長野の1施設のみ内科も併設している関係でメディカル革命のオンライン診療機能(※)を導入予定です。カレンダー上の予約情報からビデオチャットを起動するので、今後活用の機会も増えそうです。
※オンライン診療機能はオプション機能です
—— アレックス様は450を超える予約枠を施設ごとに出し分けする必要があり、システム入れ替えの際の大きな課題となりました。アレックス様のご利用開始にあわせていくつかメディカル革命の機能改善を行っております。
平尾様:施設ごとの枠を階層化して切替表示ができるようになったおかげで枠の検索がかなりスムーズになりました。当グループは多くのドクター、PTが勤務しており、それぞれの予約枠を作成していますが、その数がとにかく膨大です。
この改善がなかったら、日々の予約状況の確認がかなり困難だったと思うので、今では本当に助かっています。
システム切り替えまでの旧システムの併用期間は1ヶ月。判断は難しいですが、もっと短縮できたと思うこともあります。
—— 旧システムとの併用期間が1ヶ月、というのはいかがでしたでしょうか?
平尾様:実は併用期間をもう少し削って3週間ほどでもよかったのかな、と思うこともあります。前のシステムが使える間は慣れているほうを使ってしまうし、人間は追い込まれないとなかなか動けないところがありますよね。
併用期間では新旧の両方を見ないといけない大変さもありますので、その期間を短くするためにもある時点で「えい、やー!」と見切りをつける決断も必要なのかなと思いました。
現在ではスタッフからメディカル革命のここが困っているという話も聞かないですし、みんな慣れてきて、操作や機能を使いこなしているようです。
—— システム切替は先に関東5施設、1ヶ月後に長野3施設と2回に分けて行われました。
関東5施設では、主にメディカル革命で受付をしたあと、一部のデータが電子カルテに連携されないトラブルがありました。アレックス様の視点で現場で困ったこと、改善すべきと思われた点をお聞かせください。
平尾様:初日の午前中に解決したものの、やはりカルテに連携されると言われていたものが一部のみ連携されなかったので、現場では大混乱でした。GMOのサポート担当者2名が5施設を順番に周ってくださっていましたが、その場ですぐに話ができる環境のほうが安心できたと思います。
—— そのトラブルは事前のテストが十分であれば防ぐことができるものでした。第二弾の長野3施設ではこの反省を生かし、事前にすべての予約枠での連携テストを行ったので、トラブルはありませんでした。ありがとうございました。
平尾様:当グループは施設も多いので日程的にもタイトだったかもしれませんが、1日プレの日を作って実際の運用を試せるとよかったのかな、と思っています。
大変でしたけど無事に切り替えることができました。ありがとうございました。
メディカル革命はこれからの時代に対応する様々な機能の拡張や親和など、可能性は無限大だと思います。一緒に「革命」を起こせればと思っております。
—— 医療法人アレックスを創立された林英俊理事長の理念などをお伺いしたいと思います。また、以前、「理事長は宇宙人」と伺ったことがありますが、どのような方でしょうか?
平尾様:アレックス(AR-Ex)の名前の由来が、関節鏡視下手術、リハビリテーション、運動療法の英語の頭文字をとっているのですが、理事長はその治療の3つの武器を使って患者さんの「早期復帰、完全復帰」をずっと治療コンセプトにあげています。これが理事長の理念に近いです。
そのために常にアンテナを張って、先進医療や新しい治療に取り組まれていてすごいなと思います。発想もすごく柔軟で、うまくいかなかったら次は方法を変えれば良いと考え、今までこうだったから、という既成概念にはとらわれることは一切ないんですよね。それがアレックス全体の風土になっていて、スタッフを惹きつける魅力になっているんでしょうね。「宇宙人」というのはバイタリティもパワーも常人離れしているという意味です。常に患者さんのために動き続けている方です。
—— 今後、メディカル革命をどのように活用したいとお考えでしょうか?
平尾様:メディカル革命を通して患者さんと施設をつなぐようなツールがあるとうれしいです。
診療明細書などを送信したりとか。
メディカル革命のキャッシュレス決済(※)も計画はしていますが、まだ導入していません。法的にも進んでいる診療明細書のペーパーレス化が鍵になると思います。今後機能が追加される予定と聞きましたので、大いに期待して楽しみにしています。
メディカル革命はこれからの時代に対応する様々な機能の拡張や親和など、可能性は無限大だと思っておりますので、一緒に「革命」を起こせればと思っております。
※キャッシュレス決済はオプション機能です。
—— 平尾様、太田様は看護師でいらっしゃいますね。チーム医療に取り組んだり、お仕事をされていて幸せだと感じるときはどんなときでしょうか?
平尾様:当グループは、1施設で考えると病院レベルほど大きくないので、職員間で患者さんの情報を共有しやすい環境です。手術をした患者さんが頑張ってリハビリして復帰して、また大会でよい成績をとったなどの話を聞くと、それが職員たちの喜びでもあります。
私自身も看護師なので、1人の患者さんが入院して安全に手術を受け、無事に予定どおり退院できる、そういうストーリーをいくつも見届けてきましたので、この仕事をやってきて良かったなと思います。
—— 医療法人アレックスの今後の展望をお聞かせください。
平尾様:患者さんの完全復帰を目指すことを力強く掲げているアレックスらしく、今後も既存概念にとらわれず、各方面の専門のドクターとチームを作って、最新の医療を提供していくことをグループ全体で目指していきたいと思います。
切り替え直前の約2ヶ月間は各施設での説明会などで大変な過密スケジュールになってしまいましたが、平尾様、太田様にグループ内部でのご調整をいただいたおかげでシステム移行を無事に終えることができました。
また、弊社でもこの巨大な組織の予約受付運営を絶対に止めてはいけない、という緊張感を持ちながらも、社員一丸となって新しい挑戦を楽しませていただきました。
若いスタッフが中心となって、いつもアクティブにお仕事されているアレックス様に負けないよう、弊社も多くのお客様により一層良いシステム環境をご提供できるように努力して参ります。
お忙しい中、インタビューにご協力いただき、誠にありがとうございました!
▼ 医療法人アレックス様 WEBサイト
https://ar-ex.jp/