オンライン診療システムとは、インターネットを通じて医師と患者さんが遠隔で診療を行うためのツールです。患者さんは自宅などで診療を受けられ、クリニックは予約管理などのデジタル化で業務効率を向上させることができます。
本記事では、オンライン診療導入のメリットや各診療科目において必要な機能などを解説します。自院に合ったオンライン診療システムを選ぶ際の参考にしてください。
オンライン診療とは?導入するメリット
オンライン診療を導入することで、クリニックは患者さんへの利便性を高めるだけでなく、診療効率の向上や新たな患者層の獲得といった多くのメリットを享受できます。まずは、オンライン診療の基本的な仕組みと導入するメリットについて見ていきましょう。
1-1 オンライン診療ってなに?
オンライン診療とは、インターネットを通じて医師と患者さんが遠隔で診療を行う方法です。具体的には、ビデオ通話を用いて、リアルタイムでコミュニケーションを取ることで診療を進めます。この方法により、患者さんは移動の手間なく、待ち時間もなく診療を受けることができます。
クリニック側にとっても、オペレーションの効率化や再診率向上が期待できます。オンライン診療は、新型コロナウイルス感染症の拡大を契機に急速に普及し、高齢者の在宅医療や地方の医療アクセス改善にも貢献しています。また、慢性疾患のフォローやメンタルヘルスケアなど、さまざまな分野での活用が期待されています。
1-2 オンライン診療のメリット
オンライン診療を導入すると、クリニックにとってさまざまなメリットがあります。
1-2-1 患者の利便性が向上
自宅などから診療を受けることができるため、移動時間や待ち時間を軽減できるほか、仕事や家庭の事情で通院が難しい患者さんにとってメリットとなります。これにより、診療を受けやすい環境が整い、患者さんの満足度向上につながります。
1-2-2 新規患者の獲得や診療の幅の拡大
オンライン診療を導入することで、クリニックの診療範囲は地域に限定されることなく、全国の患者さんが対象となり、新規患者の獲得につながります。特に、地方の患者さんや高齢者など、通院が困難な層へのアプローチが可能になります。また、オンライン診療は手軽で利便性が高いため、患者さんが定期的な診療を継続しやすくなり、再診率の向上にも寄与します。
さらに、提供する診療科目を増やすこともでき、クリニックの収益機会の拡大が期待できます。
1-2-3 診療効率の向上
オンライン診療システムには、予約管理機能や電子カルテとの連携機能が備わっており、診療の一連の流れをデジタル化することで、スタッフの手間を減らし、業務の効率化が進みます。また、事前に問診票をオンラインで記入してもらうことで、診療がスムーズになり、患者対応のスピードが向上します。
1-2-4 感染症対策の強化
例えば、新型コロナウイルスなどの感染症が流行している状況下では、対面での診療を避けることで、患者さんや医療従事者の感染リスクを最小限に抑えられます。オンライン診療は、医療機関の負担を軽減し、社会全体の感染症拡大防止にも貢献する方法としても注目されています。
オンライン診療システムの選び方のポイント
オンライン診療システムを選ぶ際には、機能性やセキュリティ、使いやすさなどを考慮しなければなりません。ここでは、システム選定の際に注目すべきポイントを解説します。
2-1機能性
オンライン診療システムを選ぶ際には、まずシステムの機能性を確認することが重要です。以下の点に注目しましょう。
2-1-1 ビデオ通話の品質
ビデオ通話の品質がオンライン診療の質に直接影響します。画質や音質が良好でないと、医師が患者さんの症状を正確に把握できず、診断の精度が落ちるリスクがあります。
また、通話が途中で途切れるなどの通信トラブルが頻発すると、患者さんの不安が増し、クリニックへの信頼が損なわれる可能性もあります。そのため、安定した接続環境を整えておくことが重要です。
2-1-2 予約管理と患者情報管理
効果的なオンライン診療を行うためには、予約管理と患者情報管理の機能が優れているシステムを選ぶことが大切です。予約管理機能では、患者さんがオンラインで簡単に予約を取れる、リマインダー通知を自動で送る機能などが重要です。
2-1-3 電子カルテ連携
オンライン診療システムが既存の電子カルテや他のシステムとスムーズに連携できるかどうかも重要です。例えば、電子カルテとの連携がうまく機能しない場合、医師やスタッフは二重入力を強いられ、業務の負担が増加する可能性があります。
連携機能があると、診療情報がリアルタイムで更新され、診療履歴の確認や記録が迅速に行えます。
2-2 セキュリティ・プライバシー
オンライン診療では、患者さんの個人情報や医療データを安全に管理することが求められます。そのため、セキュリティ対策がしっかりと施されているシステムを選ぶ必要があります。
2-2-1 データ暗号化と認証
情報のやり取りが暗号化されているか、不正アクセスを防止するための二要素認証が導入されているかを確認しましょう。これにより、データの安全性が確保されます。
2-2-2 個人情報保護法への対応
システムが個人情報保護法に準拠していることを確認しましょう。また、三省2ガイドラインに対応しているかも重要なポイントです。患者さんの信頼を得るためには、法的な要件を満たしていることが必須です。
2-3使いやすさ
医師やスタッフ、患者さんにとって大切なのがシステムの使いやすさ。ユーザーインターフェース(UI)をチェックしましょう。医師やスタッフが直感的に操作できるデザインであれば、業務の効率化が図れます。特に診療中の操作が複雑だと、診療が滞り患者さんに不安を与えてしまいます。
また、患者さん自身も簡単に操作できるUIであることが、利用率向上につながります。多くのユーザーが使いやすいと感じるデザインのシステムを選ぶことが、オンライン診療システム導入成功のカギです。
2-4サポート体制
安定した運用を続けるためには、システム導入後のサポート体制が欠かせません。技術的なトラブルや操作に関する疑問が発生した際、迅速に対応できるサポートが必要です。電話やチャットによるサポートや、専門スタッフによるトレーニングプログラムの提供など、困ったときに頼れるサポートがあると安心です。
また、アップデート情報の提供やシステム改善に対するフィードバックの反映など、継続的なサポートも重視しましょう。
オンライン診療システム・アプリの人気6選
ここでは、代表的なオンライン診療システムやアプリをご紹介します。
3-1 代表的なオンライン診療システム
3-1-1 メディカル革命 byGMO
オンライン診療と対面診療の予約管理を一元化し、業務効率化と収益機会の拡大を支援するクラウドシステムです。患者さんは専用アプリをダウンロードしなくとも、WEBやLINEから簡単に予約できます。月額固定費が無料で、利用した分だけ費用がかかる従量課金制なので、診療予約の柔軟な運用が可能です。
3-1-2 CLINICS
多機能ながらも操作が直感的で、幅広い診療科目に対応できるオンライン診療システム。多くのクリニックで採用されており、電子カルテとの連携もスムーズです。診療予約や会計管理、ビデオ通話機能など、オンライン診療に必要な多くの機能を備えており、導入が簡単です。ただし、料金が他のシステムよりやや高めです。
3-1-3 curon
シンプルで使いやすいUIが特徴で、患者さんにとって操作しやすい設計になっています。オンライン診療と処方に必要な機能が揃っており、院内業務フローの負担を軽減できます。ただし、カスタマイズ性が他のシステムと比べると限定的です。
3-1-4 YaDoc
オンライン診療に加えて健康管理アプリとしても活用できるシステムです。患者さんの健康状態を継続的にモニタリングする機能を持ち、特に長期的な健康管理が必要な患者さんに適しています。専門的な機能が多く、導入にはある程度のトレーニングが必要です。
3-1-5 LINEドクター
LINEのプラットフォームを利用して診療を行うシステムです。LINEを普段から使い慣れている患者さんにとっては、使いやすく、安心感があります。しかし、電子カルテやレセプトコンピュータとの連携はできません。。
3-1-6 SOKUYAKU
幅広い診療科目に対応しているオンライン診療システムです。オンライン診療から服薬指導、薬の配送までを一貫してサポートしています。患者さんのニーズに応じた柔軟な対応もでき、例えば都市部では薬の当日配送にも対応しています。
サービス名 |
主なサービス |
対応デバイス |
WEB問診 |
電子カルテ連携 |
利用料金 |
メディカル革命 byGMO |
オンライン診療予約 WEB問診 オンライン決済 |
PC、スマホ、タブレット |
〇 |
〇 |
初期費用・月額固定費が無料 ※従量課金 |
CLINICS |
オンライン診療予約 WEB問診 処方箋アップロード |
スマホ |
〇 |
〇 |
要問合せ |
curon |
オンライン診療予約 WEB問診 処方箋・薬の受け取り |
PC、スマホ |
〇 |
〇 |
初期費用・月額利用料無料 事務手数料4% |
YaDoc |
オンライン診療予約 オンライン決済 WEB問診 服薬指導 |
PC、スマホ |
〇 |
〇 |
月額33,000円(税込) |
LINEドクター |
オンライン診療予約 WEB問診 |
スマホ |
〇 |
- |
Basic Plan: 初期費用・月額固定費無料 ※サービス利用料(決済金額の3.5%)を別途負担
|
SOKUYAKU |
オンライン診療予約 WEB問診 |
PC、スマホ |
〇 |
- |
初期費用・システム利用料は無料 ※保険外診療は330円/― |
3-3 料金プランにも注意
オンライン診療システムを導入する際、月額固定制と従量課金制の違いを理解しておくことが重要です。
月額固定制は一定額を毎月支払う方式で、収益が安定していればコスト管理がしやすいといえます。
従量課金制は利用した分だけ費用がかかるため、初期費用を抑えつつ需要に応じた柔軟な運用が可能です。
導入費用には初期設定費やトレーニング費用が含まれ、ランニングコストにはシステムの維持管理費やサポート費用が発生する点も考慮しておきましょう。
診療科目別におすすめのオンライン診療システム
標榜する診療科目によって、必要とされる機能は異なります。ここでは主な科目ごとに重要な機能と、それに適したサービスをご紹介します。
4-1 皮膚科
皮膚の状態を詳細に確認するため、高画質のビデオ通話機能が必要です。また、患者さんとのスムーズなコミュニケーションを保つため、使いやすいチャット機能もあると便利です。例えば、LINEを通じた診療など、患者さんとのコミュニケーションが容易なサービスが適しているといえます。
4-2 心療内科
患者さんの心の状態を見守るため、安定したビデオ通話機能とプライバシーを守る強固なセキュリティが求められます。問診やカウンセリングを記録する機能も重要です。シンプルで使いやすいUIと信頼性の高いビデオ通話機能を備えるサービスなら安心して診療を行えるでしょう。
4-3 小児科
保護者との連絡を頻繁に行うため、ビデオ通話やチャットの使いやすさが重要です。また、健康状態を長期的にモニタリングする機能も必要です。健康管理アプリとして、子どもの成長記録や健康状態のモニタリングに役立つ機能のあるサービスがおすすめです。
4-4 婦人科
プライバシーを重視しつつ、詳細な問診ができる機能や、患者さんが気軽に相談できるチャット機能が求められます。予約管理機能も重要です。多機能で使いやすく、高いセキュリティ性を備えていると、幅広い診療に対応できます。
4-5 内科
幅広い症状に対応するため、安定したビデオ通話機能と電子カルテ連携が必要となります。予約管理や患者情報の一元管理も重要です。電子カルテとのスムーズな連携機能や、広範囲にわたるサポート体制があると、診療の効率化ができます。
メディカル革命 byGMOのオンライン診療システムをおすすめする理由
メディカル革命 byGMOは多くのクリニック様に選ばれています。ご契約アカウント数も1,500件を突破し、高い成長率を維持。ここではメディカル革命が選ばれている理由をご説明します。
5-1 メディカル革命が提供するオンライン診療システムの特長
メディカル革命は予約管理の柔軟性が高く、対面診療予約とのシステム一元化が可能です。対面診療との一元管理により、オペレーション効率化が可能になり、患者さんはアプリ不要で簡単に予約・決済ができます。
さらに、利用した分だけの従量課金制なので、無駄なコストを削減できます。柔軟な料金プランのため小規模クリニックでも導入しやすく、経営改善をサポートします。メディカル革命なら、効率的なクリニック運営が実現できます。
5-2 メディカル革命のオンライン診療でできること
5-2-1 オンライン診療と対面診療の予約一元管理で、オペレーションの効率化、収益機会が拡大
予約管理画面の設定の柔軟性が高く、対面診療予約とのシステム一元化が可能。対面診療との一元管理により、オペレーション効率化、収益機会拡大につながります。
5-2-2 診療予約はWEB/LINEから、専用アプリのダウンロード不要
対面診療の予約も可能な利便性の高さで再診率アップ・治療離脱防止につながります。患者さんにとって身近なLINEからは、ログイン不要でオンライン診療予約が可能です。
5-2-3 オンラインカード決済によるシームレスな診療費の請求
予約管理画面上で決済状況を管理できるため、請求漏れ防止につながります。
5-2-4 月額固定費無料で従量課金だから使った分だけ費用負担
月額固定費を気にすることなくオンライン診療の利便性をクリニック、患者さんの両方にお届けします。
5-3 安心のサポート・セキュリティ体制
5-3-1 お客様満足度96%※
予約システム利用中のクリニック様に、営業・サポート部門の対応についてのアンケートを実施した結果、高い評価を獲得。※当社調べ
5-3-2 万全のセキュリティ プライバシーマーク認定取得
プライバシーマークを認定取得済み。また、3省2ガイドラインに準拠し、医療に関する情報を取り扱う業者として厳しい基準でセキュリティ対策に取り組んでいます。
5-3-3 システム連携50以上
ベンダーに縛られないオープンなシステム連携が強みです。お使いの電子カルテ、WEB問診との連携が可能です。
オンライン診療の導入で効率化や集患アップ
オンライン診療システムには診療の効率化をはじめ、集患率や診療継続率の向上、院内感染リスクの低減など、多くのメリットがあります。診療科目のほか、機能性やセキュリティ、使いやすさといったポイントを考慮して、自院に合ったオンライン診療システムを選びましょう。
メディカル革命 byGMOはオンライン診療と対面診療の予約を一元管理することで、効率的なクリニック運営を実現します。オンライン診療システム導入を検討されている方は、ぜひご検討ください。