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医療予約受付における人工知能の可能性について

こんにちは。医療予約技術研究所の開発チームの萩田です。
今回は、『医療予約受付における人工知能の可能性』というテーマで、開発者の目線から記事を書かせて頂きます。
専門用語はできるだけ控えるつもりです。
分かりづらい点などは、追って補足したいと思います。

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人工知能の実体とは?

さて、人工知能というと、みなさんはどんなイメージをお持ちになるでしょうか?

『未来的』『すごい』『かっこいい』
ありがとうございます。
そういうポジティブなイメージもありますね。

『実体がよくわからない』『うさんくさい』『たんなる流行語』
なるほど。そういう意見ももっともです。

メディアなどで人工知能という言葉が一人歩きして、必要以上に持ち上げられたり、はたまた危険視されたりしている現況を考えると、ネガティブなイメージを持たれるのも無理はありません。
開発者としても、『人工知能というと注目されるから、とりあえず便乗しとけ』という心理がないというと、嘘になります。笑

そんな中で今回は、実体のある人工知能の話をしようというわけです。

そこで人工知能の実体とはなんなのか、という問題については、エンジニアである私としては、
『人間の知性を(部分的に)エミュレートする技術の総称であり、実体としては個別に発展してきたソフトウェア技術の集合』
と考えています。

具体的には、
・データマイニングによる未来予測
・映像や画像の分析
・音声や文章の分析認識
・状況判断の自動化
これらのソフトウェア技術の中で、『あたかも人間が行なっているレベルの精度』を再現できているものが、現段階で実用的と呼べる人工知能の、実体なのではないでしょうか。

また、人工知能技術の中でも機械学習の要素があるものについては、積極的に深層学習(ディープラーニング)が活用されています。
昨今の人工知能ブームは、基礎技術と情報工学の発展とともに実用化に至った、ディープラーニング技術に根ざしていると言えます。

医療分野での人工知能活用

最近では、以下のような事例がありました。


なんと、頭頸部がんの治療計画を人工知能が作成する、というプロジェクトがあるようです。
がん組織の状況をCV(コンピュータ・ビジョン)技術で分析し、かつ、過去のデータを元に治療計画を提案してくれるのですね。

それ以外にも最近では、以下のような事例があります。


こちらの事例は、DNAの特徴を人工知能が解析し、『二次性白血病』という病名を突き止めたという話です。
DNAと病気の因果関係に関する膨大な論文を学習した人工知能が、患者のDNA情報を元に、推測を行なったようです。

このように医療分野でも、人工知能技術の活用が進んできています。

医療予約受付ではどのように人工知能が活用されるか

当社で開発している『メディカル革命』と『Dentry』は、医療受付に特化した予約システムとして、好評を頂いています。
先日は『深層学習を利用した、キャンセル可能性の予測』を行う機能をリリースしたばかりです。


今後も、医療受付を支援するためのAI機能を実現していきたいと考えています。
具体的には、以下のような機能を開発しています。

開発中 データマイニングによる次回治療提案

医療現場における治療については、一定の決まった順番に従って進行するものがあります。(歯科の根管治療や、その他長期間に渡る段階的な治療など)
この治療の順番を機械学習することで、暗黙知的な医療予約受付のノウハウを自動化することができるのです。
この機能については、リリース間近といったところです。

ここで一点補足です。たまに私は、『機械学習などしなくても、R言語などを使って、ある程度未来予測できるよね』という声を聞くときがあります。
このご指摘に対しては、『でも、アプリケーションとして即座に答えがわからないと、現場で間に合いませんよ』です。

近年の深層学習プラットフォームを利用したデータマイニングは、リアルタイムな未来予測を行える点に、革新性があるのです。

開発中 CV技術による待合室の混雑度管理

医院の待合室が混みすぎると、患者さんの満足度低下につながります。(感染リスク。単純なイライラ)
その対策のために、コンピュータ・ビジョン技術を応用し、『待合室のカメラ映像を解析して、混雑度を管理および記録する』という機能を研究開発しています。

待合室分析のイメージ

私の方では映像解析技術に関する研究会などに参加し、学生さんや開発者さんと共に学んでいます。

CVは特にこれから探求していきたい分野でして、例えば工業では検品の自動化にCVが貢献しています。医療でも、患部写真を自動分析し、病状を判定する技術が研究されています。
そんな中、当社では待合室の待機人数を数え、混雑度を記録することで、リアルタイムのアラートを上げるとともに、混雑度の未来予測に役立てようと考えています。

データマイニングの流れ

機械学習を使ったデータマイニングについては、以下のような流れで実施することになります。

データマイニングの流れ

この手順の中で、データの加工が特に難しい工程となります。

現在当社で実施しているデータマイニングの取り組みについては、予約受付のビッグデータを加工するところからはじまります。
データの加工に際しては、
・データをシンプルにして学習しやすくする
・結果と因果関係が認められる条件を絞る
・複数の条件を束ねる(次元削減)
などを行っています。
まあ、どんな仕事にしても、『問題をシンプルにして考える』という点は変わらないわけですね。

この『予約受付データの機械学習』というフレームワークを確立すれば、かなり色々な応用ができるようになると期待しています。

人工知能は人間のためになるのか

突然ですが、当社の商品を導入検討してくださった医院の、受付の方のご意見を紹介させて頂きます。

「商品が便利すぎて怖いです。受付の仕事がなくなって、解雇されないか心配です」

このお声に対して私は、そこまで商品を認めてくださったことに驚き、うれしく思いました。失礼ながら笑いそうなりましたが、先方は真剣です。
私は言いました。

「心配なさらなくても、人間がやるべきことは山ほどあります。今まで忙しくてできなかった、定期検診のはがき送付や、掲示物の整備など、いろいろできるようになりますね!」

これが答えです。
技術の活用でラクになった分、人間は人間にしかできない、付加価値の高い業務に集中できるようになるのです。
例えば18世紀ヨーロッパにおける産業革命のときも、職人の仕事が減った変わりに、機械関連や、流通関連の仕事が活性化しました。
医院においても、患者さんの満足につながる仕事に時間をさいて頂けるようになると、期待しています。

ライフサイエンスと未来

少し話が飛びますが、しばらく前にレイ・カーツワイル著の『シンギュラリティは近い』という書籍を読んだときは、その大胆な未来予測に驚かされました。


・人間の脳はコンピュータにアップロードされる
・人間の寿命に限界がなくなる
・人工臓器や人工血液が実用化される

こんなことがまことしやかに論じられていたわけです。
上記はライフサイエンスの極致のような例ですが、当社で取り組んでいる医療受付の現場においても、『患者さんの継続的な治療をテクノロジーでサポートする』という切り口で、医療の未来に貢献できることがありそうです。

まとめ

そんなわけで、今回は『医療予約受付における人工知能の可能性』というテーマで記事を書かせて頂きました。
私たちの取り組みに興味を持って頂く、なにかのきっかけになればと思います。
これからも、医療受付の現場に役立つ、サービスの展開に尽力したいと思います。

医療予約技術研究所 開発チーム 萩田

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