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医療機関の人事評価・基本おさらい編【医療機関の人事・労務】

こんにちは。ICTコンサルタントの山久啓次郎です。
クリニックの業績を上げるには、人事・労務にも注力しなくてはなりません。

これまで医療機関の人事・労務について、3つの記事をご提供してきました。
人事労務を改善! 医療機関の人事マネージメント【基礎理論編】
人事労務を改善! 医療機関の人事マネージメント【コミュニケーション編】
人事労務を改善! 医療機関の人事マネージメント【リーダーシップ編】
ぜひ、あわせてご覧ください。

今回は、医療機関の人事評価(人事考課)の基礎についてお伝えします。
院内の人間関係にも影響する、大事な業務です。
ポイントを押さえられているか、貴院でもぜひチェックしてみてくださいね!

山久啓次郎 (株式会社医療予約技術研究所 ICTコンサルタント)

yama2 医院様へのシステム導入を通じて、経営や医院運営のコンサルティングをさせていただいております。
前職では医療関連のシステム開発に携わりながら、実際の医院様の業務改善に努めてまいりました。その後、知識と経験を活かすために医療予約技術研究所へ入社させていただきました。
どうぞよろしくお願いいたします。

人事評価の意義


人事評価とは、人事制度の中核的役割を担う制度のひとつで、人事考課ともいいます。
人材への評価によって、等級や報酬が決まり、等級によって評価の項目や基準、給与が変化します。

医療機関の場合、スタッフの評価を行うのは、院長や部門のリーダーなどです。
評価の対象となるのは、一定期間のスタッフの業務遂行における業績・能力・情意(意欲、態度)です。
一般的な人事評価の目的は次のとおりです。

① 配置・賃金管理上の情報収集

スタッフの能力や適性を把握し、給与や賞与、配置、昇進・昇格の情報源とする。

② 能力開発・教育訓練上の情報収集

スタッフに求められる能力と現実の能力のギャップを把握し、育成(能力開発や教育訓練)のための情報源とする。

③ 動機づけと期待成果の理解

適切な評価とそれに沿った処遇で、スタッフの動機づけとする。
また評価基準を明示すると、スタッフが期待成果・行動を理解することができる。

3つの目的のいずれに重点を置くかは、医療機関の考え方により異なります。
経営計画や理念、行動指針を見直し、特にどこに力を入れるかを明確にしましょう。

人事評価の基本

人事評価には、いくつかの留意点があります。
ここお伝えするのは、その基本です。

人事評価の原則


人事評価を行う際、常に心に留めておくべき原則があります。

① 透明性

評価項目や基準が明確であり、評価者・被評価者の全員に伝わっていること(理解していること)。

② 公平性

制度が正しく運用され、悪意をもって利用されないこと。
多面的な評価尺度の採用、評価者訓練の実施などがなされていることが望ましい。

③ 納得性

評価者・被評価者が面談を行い、評価材料とする。

これらを確保できないと、意欲の著しい低下や退職などのトラブルにつながります。
特に小規模な医療機関では、全員が毎日顔を合わせるので、職場の雰囲気もすぐに悪くなってしまうでしょう。
医院の雰囲気は患者様へすぐ伝わるので、患者満足度も低下し、医院経営に悪影響を及ぼします。

評価は、クリニックの運営、スタッフの成長やキャリアなど多くの事柄に影響をもたらすということがわかりますね。
評価者はその責任を自覚する必要があるのです。

絶対評価と相対評価

公正で納得性の高い人事評価制度を導入するには、絶対評価相対評価を考慮しなくてはなりません。
「絶対評価」とは、客観的基準(絶対的基準)に照らして、優れているまたは劣っているかで、評価を決定する方法です。
「相対評価」とは、被評価者の属する母集団のなかで、成績で順位をつけ、そのなかでの相対的な関係によって評価を決定する方法です。

絶対評価なら、全員が優秀な成績を収めている場合に低評価をつけざるを得ない、といった問題を避けることができます。
また、スタッフ個人個人に目標を設定していれば、目標という基準に対して評価することができるので、絶対評価が向いています。

ただし、絶対評価には相対評価に比べて評価格差をつけにくいという場合もあります。
絶対評価によって、多くのスタッフの評価が同じレベルに固まってしまった場合、インセンティブとして機能しにくいという欠点もあるのです。

いずれの評価方法を採用するとしても、組織の状態、評価対象となる項目などによって使い分けるなど、工夫が必要になるでしょう。

中間項を考慮

中間項とは、入院や産休など、本人の意欲(情意)や能力に直接関係のない条件のことです。
これは基本的に、評価の際には除外して考えます。
特に情意評価、能力評価での減点は行いません。
そうしなければ、たとえば産休を取得すると評価が大きく下がることになり、スタッフのモチベーションが著しく低下します。

また、スタッフにこうした危惧を抱かせないよう、中間項の存在は周知しておきましょう。
評価者も留意する必要があります。

中間項には、病気や怪我、産休・育休など医療に直結する事柄が多くあります。
こうした身体にかかわる不可抗力の際は、むしろ率先して休ませる姿勢を明らかにすることが、医療機関としての責任といえるかもしれません。

評定誤差に注意

評価は、できる限り客観的な事実に基づいて行われるのが理想です。
しかし、評価者も被評価者も人間です。
思い込みや誤解、個人的な感情が介入し、公正公平な評価ができなくなってしまう場合もあります。
このような、評価者が陥りやすいエラーを評定誤差といいます。

評定誤差には多くの種類があります。
詳しくは、次回ご紹介します。

まとめ

今回お伝えしたのは、人事評価における基本です。

1. 人事評価の意義は、適切な配置・教育・動機づけ
2. 人事評価に大切なのは、透明さ・公平さ・納得できるか
3. 人事評価には、中間項の存在、評定誤差などの注意点がある

先述しましたが、人事評価はクリニック運営にもスタッフ個人の成長やキャリアにも大きく影響します。
評価者は、その責任を自覚して、正しい評価を心がけましょう。

山久啓次郎 (株式会社医療予約技術研究所 ICTコンサルタント)

yama2 医院様へのシステム導入を通じて、経営や医院運営のコンサルティングをさせていただいております。
前職では医療関連のシステム開発に携わりながら、実際の医院様の業務改善に努めてまいりました。その後、知識と経験を活かすために医療予約技術研究所へ入社させていただきました。
どうぞよろしくお願いいたします。
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