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歯科経営を改善! 削るお金・削らないお金【人件費編】

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こんにちは! ICTコンサルタントの山久啓次郎です。
今回もまた、歯科医院の経費についてお話ししていきます。

前回は、固定費や将来投資のお話でした。

歯科経営を改善! 削るお金・削らないお金【固定費・将来投資編】

固定費は節約or増やさない、そして将来投資は惜しまないで……という内容です。

どこにお金をかけ、どこを節約すべきか。
今回はいよいよ、人件費についてお伝えしていきます!

まずは、人件費管理についての基本的な考え方を

歯科医院の経費のなかで、人件費は最も比率の高いもののひとつです。
したがって、人件費の見直しは、利益率の確保のためには最重要であるといえます。

人件費の適切な比率は、20~25%程度と考えられています。
30%は要注意、35%以上となると早急に見直しをする必要があります。
しかし、医療経済実態報告によれば、歯科医院における給与費比率は、個人開業医院で30.1%、医療法人で53.1%です(対医業費収益。平成25年調査実施)。
人件費の見直すべき医院は多い、ということがわかりますね。

人を減らす? 単価を下げる?

1人あたりの賃金を下げると不満に直結し、優秀な人材の確保も難しくなります。
全体の人数を抑制することを考えましょう。
企業では、「従業員を少数にすると精鋭になる」といわれています。
忙しい状態が日常化すると、工夫が生まれるためです。

ただし、人数を少なくしすぎてもいけません。
1人当たりの業務がかさむこと、特にマーケティング対策などの診療業務以外の業務増加は、不満が蓄積される大きな原因となります。
人が足りなくなれば、休暇の取得も難しくなり、新人が入っても教育する余裕がなくなります。
そして人材が流出し、残る従業員の負担がさらに増え、やがて組織は崩壊……
もちろん、接遇の質が低下し、患者満足度が下がることも重大です。

したがって、最少必要人員に加え、1割の余裕をもって人員を確保しましょう。
特に、歯科衛生士は多めに確保しておくことをおすすめします。

ポジション別・人件費の見直し方

では、人件費を役職・ポジション別に見直していきましょう。

勤務医の給与は、注意点が多め

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勤務医の給与は、固定給+成績勘案の賞与とする場合と、診療報酬に対する一定の歩合とする場合があり、歩合制の方が多いといわれています。

歩合制の場合、保険・自費ともに20%ほどとするクリニックが多いようです。
しかし、保険診療報酬の低下・自費診療増の必要性・介助に要する場合の従業員人件費も考慮すると、保険診療で18~20%、自由診療で25~30%ほどとするのが望ましいといえます。

歩合制の勤務医でも、時間外労働がある場合は割増賃金を支払わなくてはなりません。
したがって、あらかじめ一定の時間外勤務を想定し、その割増手当を含めた金額で歩合給を設定しましょう。
時間外勤務の時間が設定を下回っても、賃金を減額してはいけません。
労働基準法は、くれぐれも遵守するようにしてください。

ドクターを信頼しつつも、収益増に貢献してもらう体制づくりを

自分の医院で勤務してもらっているドクターのことは、信頼したいものです。
ただし歩合制の場合、診療が荒れたり不正請求をされたりする……といったことも、残念ですが起こりえます。
チェック体制は万全にしておきましょう。

固定給制の場合は、繁忙になるのをいやがって、故意に患者数を減らすドクターも出てくるといいます。
固定給制でも、一定のインセンティブを設定する、人事評価で賞与を増減する、などの対策が必要になってきます。

管理・評価体制のほかには、人間関係職場環境も大切です。
院長をはじめ、他のドクターやスタッフとの良好な関係を保ち、不満や問題点を蓄積しない環境づくりに努めましょう。
それが、ドクターにズルをする気を起こさせず、運営に貢献したいと思わせる体制です。

従業員は、受付・歯科助手と歯科衛生士で差あり

勤務医以外のスタッフについては、1人あたりの賃金水準と人員数のバランスが重要です。
特に、院長先生の出身が大学病院や総合病院の場合は、ドクター1人に対する従業員数が多くなる傾向があるようです。

受付や歯科助手は、主にアルバイトやパートでの雇用となります。
昨今では、不況の影響からか応募者が多くなる傾向があります。
したがって、現状では賃金水準を高くする必要はないといえます。

反対に、歯科衛生士は不足気味です。
そのため、優秀な人材を確保するためにも、賃金水準は募集時から高めにしなくてはなりません。
受付・歯科助手とは歯科衛生士手当で差をつけましょう。
地域にもよりますが、歯科衛生士の初任給はおよそ20万円ほどの医院が多く、歯科衛生士全体では月収約25万円ほどです。

残業の管理にも注意が必要です

残業時間もなるべく厳密に管理したいもの。
できれば事前許可制にして、休日・時間外労働申請書を院長まで提出してもらいたいところです。
しかし現実には、そのときにならなければわからない残業も多く、事後報告を認めるしかありません。

残業の多くは医師の治療が長引くことで発生しています。
したがって、残業手当による人件費の増加を抑えるためには、ドクターに対して診療時間を守るよう、説明を繰り返す必要があります。
また、時間外手当狙いで、日中にだらだらと勤務するスタッフが出ないよう、教育・管理をしっかり行うことも重要です。
「ズルをしたくならない」「運営に貢献したい」と思わせる体制は、ここでも活きてきます。
良好な人間関係の維持、不満を蓄積しない環境づくりを忘れないでくださいね。

まとめ

今回お伝えしたことをまとめます。

・1人あたりの賃金は下げず、人数を見直す(少なくしすぎない)
・ドクターには、収益増に貢献してもらう管理・評価体制が必要。歩合制なら保険診療or自費診療で歩合を変える
・歯科衛生士の賃金は高めに
・残業にも目を配る

人件費は、歯科医院の出費のなかでも特に比率の高いものです。
つまり、人件費の最適化が、経営改善への近道といえるのです。
貴院のさらなる発展のためにも、ぜひ一度見直してみてくださいね。

山久啓次郎 (株式会社医療予約技術研究所 ICTコンサルタント)

yama2 医院様へのシステム導入を通じて、経営や医院運営のコンサルティングをさせていただいております。
前職では医療関連のシステム開発に携わりながら、実際の医院様の業務改善に努めてまいりました。その後、知識と経験を活かすために医療予約技術研究所へ入社させていただきました。
どうぞよろしくお願いいたします。
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